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「会議では自分のスタンスを明確にすべき」

知恵のバトン
2024.03.12

会議の重要な機能の一つに意思決定があります。やるのかやらないのか、AにするのかBにするのか、予算をいくら付けるのかなどです。しかし、役員会や経営会議に参加してよく思うのが自分のスタンスを明確にしないメンバーが多いということです。例えばやるのかやらないのかを決める議論をしている際に、うちの会社でもそういうことを考える時期かもしれない・・、他社はこういう取り組みを始めているらしい・・、社員からこういう声があがっている・・などのようにどっちつかずの意見が散見されます。そんな時、私は、・・・でっ、○○さんはどうすべきだと思うのですか?と参加メンバー自身の結論を確認するようにしています。

結論を明確にしないことで本人は発言の責任を負いません。それは違うのではないかと責められることや葛藤が生まれることが少ないので、どっちつかずの発言をすることで身の安全を確保しようという意識が根底にあります。厳しい言い方をすると自己保身のためにスタンスを不明確にしていると言えます。

しかし、そのような不明確なスタンスでは結論が出ません。結論が出ないと意思決定という会議の役割が果たせなくなります。また、不明確なスタンスで意見をしている方は責任を負うという覚悟がないため本気になってどちらが良いのか考えていないことがあります。前述のようにどうすべきか結論を求めると、その瞬間にやっと本気になって考える方がとても多いように思えます。やるのかやらないのかのスタンスがハッキリすれば、それは違うなどと、反対意見が出ますが、結論の方向性が見えないと賛成意見も反対意見も出せず、議論が深まることもありません。

このようなに会議で明確なスタンスを取らない会社では心理的安全性が低いケースが多いです。何か言う度に社長に批判されダメ出しされる、やるべきだと言った人に責任と負荷を負わされるなどです。

私は経営会議の進行をすることもありますが、社長以外のメンバーにどうしたいのか明確に発言してもらい、議論が深まった時点で最終的に社長の責任でどうするのか判断してもらうようにしています。最初から社長がこうしたいという発言をすると、他のメンバーはそれに迎合して自分の意見を言えなくなってしまうからです。

近鉄電車の中興の祖といわれる佐伯勇さんは、「独裁すれども独断せず」という言葉を残しています。良い会社を作っていくために多くの意見を出し深めていくことが重要ですね。


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