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「自分が食べてよいと思う商品をお客さまに提供する」

知恵のバトン
2024.04.09

小林製薬の「紅麹」問題は拡大の一途をたどっています。本記事を書いている4月4日時点では、紅麹を起因とした健康被害で入院者数は188人となったと厚労省は発表しています。ここ数日で急拡大しており、今後も拡大する可能性があります。
そもそもの素朴な疑問なのですが、小林製薬の経営者、経営幹部、社員は紅麹をはじめとする小林製薬の商品を飲んでいなかったのでしょうか。もし飲んでいたらもっと早く気づいていたでしょうし、飲んでいなかったとしたら、実は自分たちが飲みたくないものをお客さまに提供していたのでは、と疑ってしまいます。

ビジネスの基本として、自分も喜んで消費したいものをお客さまに提供するべきです。飲食物であれば、自分が飲食したくないと思うもの、またまずいと思うものをお客さまに提供することほど、不誠実なことはありません。

このことについて、私のなかで印象深い話しが最近ありました。それは、お客さまとともに、ある地方都市の菓子メーカーさんにお伺いしたときのお話しです。この菓子メーカーさんは創業者である現社長さんが一代で拡大され、その商品の評価も高く、現在は香港やオーストラリアといった海外にまで輸出されています。社長さんとお話しをすると、75歳というご年齢を感じさせない活力がありました。

お話ししたのち、菓子工場の方に案内して頂きました。非常に整然とされ、また社員の方々も無駄がない動きをされている現場です。製造ラインを一巡りしたのち、商品が保管されるスペースに移動しました。その時です。社長が商品の一つを取り上げ、商品である菓子を食べ始められたのです。

私は一瞬少しとまどったのですが、私のお客さまが、「ここの社長はとにかく自社の商品を食べられるのですよ。私もそれを見習って自社の商品を食べるようにしています。」とお話しされ、この突然起きた状況を理解できました。社長は、自社でつくった商品をお客さまにお届けしてもよいものかどうか、自分が食べることで確認していたのです。恐らく、自分が食べてよくないと思ったら、商品の改善にも努められてきたのでしょう。また、私のお客さまのお話しによると、この社長さんは競合他社の商品もよく食べられているとのことです。それにより、自社の商品が競合よりもよいのかどうかを知り、自社商品に磨きをかけているのでしょう。頭が下がる思いがしました。

「お客さまに自社商品を食べて頂き、美味しいと喜んで頂く」ことを目指すならば、自分が食べて、美味しいと思わなければ実現するわけがありません。そんな基本的なことを、この社長さんから改めて学ばさせて頂きました。

【コンサルタント:増田  賢作】


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