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細かいことは得意ではないのですが、どうしたらいいのでしょう?

今週の「言葉」
2023.08.22

とある企業の社員さんから出てきた言葉です。

この言葉、どんなシチュエーションで、誰から出てきた言葉だと思いますか?

 

この言葉を発したのは、ある技術力の高い製造業の企業の社員の方です。

この企業では、理系男性を中心とした採用から、徐々に女性の採用に力を入れるようになり、今では女性が企画職や一部は現場でも活躍され、非常にいきいきとした社風をつくられています。

 

その経営者のお話を聞くと、採用難で良い人材が集まらなかったときに、女性に目を向けると非常に優秀な人材がたくさんいることに気づき、積極的に採用をするようになったとのこと。女性はコミュニケーション力が高く、職場の雰囲気も明るくなり、職場環境も大きく改善したし、営業や外部折衝の場面でも女性が大活躍してくれているということでした。そして、女性は細かいところに良く気がつくし得意だからね、ということを仰っておられました。

 

さて、そこで冒頭の言葉です。

とある女性社員の方が、女性が細かいことが得意だという社長の期待に対して、自分はそうではないのだが、どう考えたらよいのか?という疑問を発せられたのです。

これはある女性活躍に関するアンケートを取られたのがきっかけと聞いていますので、あらためて考えての言葉だったのでしょう。

 

中小企業での女性の活躍は以前に比べれば進み始めていると言えますが、上場企業等に比べると、まだまだ20年ぐらい前の感覚の企業様もいらっしゃるように感じます。

そのなかでも、この企業さまは、取組みも早く、実際に女性の皆さんが活躍している素晴らしい企業さまです。産休育休制度だけでなく、仕組みとしてジョブローテーションを全社的に取り入れる等、人員配置を柔軟にできる環境で育休を取りやすくするなどの工夫もされています。

 

それでも、無意識のうちに、女性だから○○、というステレオタイプが存在するのです。

これは言い換えれば、男性だから○○、でもあります。男だから、男のくせに、という言葉は今でもよく聞きます。

ドラッカーは「強みを活かす」と言っています。男性であれ、女性であれ、身体的な性差の特徴はありますし、そこへの配慮は必要ではありますが、その人としての個性や強みは性差と関わらず様々です。

 

「強みを活かす」ということは「人を活かす」ということです。

 

労働力がどんどん減っていくなかで、老若男女問わず、どう人を活かせるかということが、特に中小企業においては問われていく時代です。

 

先の企業の経営者の方は、うちの会社は女性の活躍で進んでいると思ったんだけど、まだまだだったよ、と仰っていました。その素直なご発言に、もっともっとこの企業さまは成長されるだろうな、と強く感じました。


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