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「計画倒れ」になっていませんか?-実行し成果を上げる組織であるために

経営のヒント
2023.11.02

「経営計画を立てているのだが、毎回計画の進捗が芳しくなく部長陣からは言い訳ばかりが出てくる。」
とある経営者の方から出てきた言葉です。

ビジョンを掲げ、方針と目標数字を設定し、それぞれの部署の責任者に具体的な計画を考えさせているのだが、なぜ実際には実行できないのかと嘆かれていました。 

私たちは、経営においてはビジョンを実現するために、経営計画を立てることが必須だと思っています。
しかし、良く聞くのがこの「計画倒れ」です。計画倒れが続くと、計画というものは達成しなくてもよいものだ、という空気が流れ始めます。
計画倒れにならずに、計画が本来の役割を果たし、実行され成果を上げるためには何が必要なのか、3つの条件を挙げてみたいと思います。

<ビジョンから計画までの道筋が明らかになっている>

ひとつめは、ビジョンから逆算して計画を立てることはもちろんなのですが、そのビジョン(目的)から具体的な計画(目標)までの「間」がきちんと考えられているか、ということです。
前述の企業様では、例えば10年後には100億円企業になると設定されていたのですが、そこに至る道筋が不明確でした。もっと言えば、ビジョンがいきなり売上規模であらわされていました。

ビジョンで描きたいのは、どのようなお客さまにどのような価値を提供し貢献している状態なのかということです。そして目指すビジネスモデル、必要な企業規模、利益水準と現状のギャップを埋めるために何を行っていくのかという戦略が必要です。その大きな道筋のなかで、3年後の具体的な姿や解像度の高い実行計画、1年間の計画、という順番で落とし込んでいきます。
そしてその全体像を各部署の責任者がしっかりと理解することです。幹部や現場の責任者が一緒に計画策定のプロセスに入るということも有効な方法です。

目的と目標の「間」が抜けている状態では、なぜその目標を達成しなくてはならないのかという重要性も理解できず、戦略への理解も足りないため本気にもなれません。前年比何%、というような数字先行での目標設定もよく見かけますが、これも同じような罪があるように思います。

<計画が行動レベルに落とし込まれている>

ふたつめは、実行計画を具体的な「行動」に置き換えることです。
例えば、「新しい販路の拡大のための訪問活動」という計画を置くだけでなく、「誰が、いつまでに、どこへ行くのか、そこで何を聴き、何を伝えるのか」までブレイクダウンします。
そして、その行動を行ったかを短いスパンで確認をするのです。ある企業では、週に115分のミーティングで確認をしているそうです。月に11時間よりも有効な仕組みだと思います。
数値目標は、あくまでもこの行動の結果なのです。まずはその手前でなすべき行動を行っているか、ということが現場では重要なのです。

<行動する企業文化が育まれている>

みっつめは、行動することを奨励し称賛する空気づくりです。
計画は実行段階で必ず想定と違うことが起きるものです。行動するなかで出てくる課題を解決したり、時にはプランを変更したりと、臨機応変に工夫し前に進むことが必要となります。企業の行動指針にそういった行動を組み込み、評価の対象にするなど自律的に動く人の育成や仕組みづくりを同時に行うのです。

「やると言ったらやるのが恰好いい」「やると言って、やらなかったら恥ずかしい」そういう価値観ができてきたら成功です。重要なのは、あくまでも「行動」に焦点を当てること。「結果」だけに焦点を当てて「出来ると言って出来なかったら恥ずかしい」というのはむしろ高い目標設定を阻害する可能性があるので注意が必要です。

 

高い目標にチャレンジし、一人ひとりが自律的に行動する組織であることは、仕事の面白さや働きがいにもつながり、さらに経験を豊かにすることによって人材を育てます。

皆さまの会社は「実行する組織」になっているでしょうか。


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