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数字に強くなれば自社の強みが見えてくる

経営のヒント
2024.01.31

12月に発売された拙著「なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?」(ダイヤモンド社)は、“ふとした疑問を数字で考え数字に強くなる”ということをコンセプトにしていますが、数字に強くなると一体どんな良いことがあるのか?

その一つに、自社の強みが見えてくるというものがあります。

ピーター・F・ドラッカーは『イノベーションと起業家精神』という本の中で「イノベーションの七つの機会」というものを提示しています。その第一の機会として、「予期せぬ成功と失敗を利用する」ことを挙げています。コンサルとして沢山の企業を見ていますが、なぜか売れていくもの、なぜか業績が伸長している拠点など、予想外のことが起きます。それはなぜなのか?ということを深掘りすることが飛躍のきっかけになることがあります。

顧問先の卸売業のお客さまで以前、商品群毎の粗利率を算出してもらうと、常に他の商品群よりも粗利率が高いものがありました。

なぜこの商品群は他よりも粗利率が高いのか?と疑問に感じ営業担当に聞いてみました。すると特に意識して売っているわけではないが、値下げの交渉をされることがほとんど無いというのです。その後、他の営業担当や仕入先メーカー、販売先のお客さまからの情報を集めて分かったことが、この商品群の販売には一定のノウハウが必要であり、競合他社での取り扱いがとても減っているということです。

当時は社内でも手間が掛かるということで販売に対してどちらかというと消極的な姿勢でした。しかしその商品群の販売が祖業だったため、長年のノウハウが蓄積されており、競合他社と比較すれば明らかに優位性がありました。そこが強みであると社内で認識され現在では新規開拓の武器として中核商品の一つに位置付けられています。

企業内における数字は活動の結果です。つまり、その結果になったということは必ず何かしたらの原因があります。前年比売上や前述した商品別粗利率、拠点別粗利率などその結果になったことには必ず理由がある訳です。そこを深掘りすることで、見えていなかった自社の強みが見えてくることがあります。

拙著の中でも、『違和感を放置せずにフォーカスする』ことが大事だとお伝えしていますが、「んっ?」と思ったり、「ピンときた」何かがあれば、それは一体なぜなのかと疑問を持ち、深掘りすべきです。

レッドブルの創業者ディートリヒ・マテシッツは日本の高額納税者リストの1位に大正製薬の経営者、故・上原正吉さんの名前を見て創業を決意したそうです。このように同じものを見ても、そこにフォーカスすることで成功のきっかけや問題点の発見に繋がることがあります。

是非、日頃から数字を見て「んっ?」と思ったり、「ピンときた」何かがあれば、放置せずにフォーカスし、自社の強みを見つけていただきたいと思います。


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