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お客さま第一の2つの意義

小宮一慶のモノの見方・考え方
2022.06.28

多くの会社で「お客さま第一」ということが言われますが、「その2つの意義は?」と問われると答えるのがなかなか難しいものです。

 

最初の意義は、「お客さまに良い商品やサービスを適正な価格で提供すること」です。できれば、自社しかできないような商品や価格設定をする、あるいは、それらが他社と同様でも、山の中に一軒しかないお店のように、そこでしかできない価値の提供を行うこともそれに含まれます。

 

これは、ピーター・ドラッカーが、企業の存在意義の一番目として「特有の使命を果たす」と言っているのと同じです。

 

これに関連して、「お客さま第一」というと、「お客さまのために行動する」という答えが返ってくることがあります。これは間違いではないのですが、十分ではありません。例えば、皆さんの会社の新入社員が「お客さまのため」を思って仕事をしても、もちろんそれは決して悪いことではありませんが、力量が足りなければお客さまは満足しません。「お客さま第一」はお客さまの視点から見て十分な内容であることが大切なのです。

 

いずれにしても「お客さま第一」の一番目の意義は、お客さまに貢献する、できればその会社、その営業所にしかできない独自の貢献をし、お客さまから評価されることが大切です。

 

「お客さま第一」の二つ目の存在意義ですが、研修などをしていても、なかなかこの答えは出てきません。それは、働く人に「働きがい」を与えるということです。つまり、お客さまに喜んでいただくことを通じて、働く人が働きがいを感じることが大切なのです。

 

ピーター・ドラッカーは、企業の存在意義の2つ目として「働く人を活かす」と言っていますが、仕事そのものから働きがいを感じてもらうことが大切なのです。

 

私は、会社が働く人に与えられる幸せは2つあり、一番目が「働く幸せ」つまり「働きがい」、2番目が「経済的幸せ」というふうに講演などで良くお話をします。働きがいを感じてもらうことがとにかく大切なのです。もちろん、報酬を過不足なく与えられることも大切ですが、まず、働きがいを感じることが大切で、それは、お客さまへの十分な対応から得られる、つまり、「お客さま第一」を実践することが働く人の働きがいを生む原動力となるのです。

 

もし、「お客さま第一」を標榜しながら、働く人が働きがいを感じられず、疲弊しているというようなことがあるのなら、それは「お客さま第一」とは名ばかりで、実際は「金儲け第一」や「内部第一」を行っているのではないでしょうか。

 

私は「良い仕事」として「1.お客さまが喜ぶこと、2.働く仲間が喜ぶこと、3.工夫」を挙げますが、それらを通じて「働きがい」を感じて欲しいからです。

 

多くの企業が、真の「お客さま第一」を実践し、お客さまが喜び、働く人も働きがいを感じられるようになってほしいものです。


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