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ウナギの小売価格が20年前の倍以上に

経済トピック
2022.07.15

夏の食べ物といえば “ウナギ”です。今年は土用の丑の日が723日と84日の2回あるので例年よりも食べる機会が増えそうで楽しみです。しかしそんな思いとはうらはらに、今年は国産物の相場は生きたウナギが前年に比べ4割高、かば焼きが1割弱高と高値で推移しています。稚魚の水揚げが遅れたことが原因のようです。実際ウナギ屋の店頭価格を見ると値上げの文字が目立ちます。ウナギの仕入れ価格だけでなく、燃料費・人件費の負担も重く価格転嫁を余儀なくされているのでしょう。

しかしウナギの価格が上昇しているのはここ数年に限ったことではありません。総務省の小売物価統計調査によると、うなぎ蒲焼100g(東京23区)の価格は過去20年で536円(2001年)から1200円(2021年)と倍以上になっています。

 

なぜここまでウナギ価格が高騰したのか?それはウナギの資源量が減少し需給のバランスが崩れてきていることが原因です。資源量の減少を鑑み、環境省は2013年にニホンウナギを絶滅危惧種(絶滅危惧ⅠB類)に指定しました。流通しているウナギはほとんどが養殖だから自然界で資源量が減っても問題ないと思われるかもしれません。しかしウナギは人工ふ化した仔魚を親魚まで育て、その親魚から採卵し、人工ふ化させて次の世代を生み出していく、いわゆる完全養殖の商業化には至っていません。技術的には完全養殖は可能なのですが、コストが高すぎて商業化できないようです。

 

実はウナギは日本人にとって昔から身近な存在であった一方、とても謎の多い生き物です。10年ほど前まではどこで産卵しているのかも、生まれたばかりの稚魚が何を食べているのかも分かっていませんでした。現在はマリアナ海溝付近で産卵していることは分かっていますが、経路については今でもよく分かっていないようです。このようにウナギの生態には謎が多く、完全養殖が商業化できる状況には至っていません。

現在の養殖は稚魚であるシラスウナギを捕獲し、それを育てるという方法が取られています。近年シラスウナギの漁獲量が減少しており、それがウナギ価格高騰の要因になっています。水産庁『ウナギをめぐる状況と対策について』の資料によると今年のシラスウナギの価格は1キロ当たり220万円と、昨年の132万円から7割近く上昇しています。過去最高だった2018年の299万円と比較すれば若干下落していますが、2003年の16万円と比較すると約14倍と驚くほど高騰しています。

 

私もウナギは大好物です。牛丼屋でも懐に余裕があればウナギと牛丼の両方を楽しめるウナ牛を注文することもあります。しかし、SDGsの観点から考えると資源量が減少し絶滅危惧種に指定されているウナギを食べることにちょっとした後ろめたさを感じることがあります。最近では資源が減少するウナギの代替品としてナマズを活用しようという動きがあり、イオンでは“ウナギ味のナマズ”を売り出し話題になりました。ただ個人的にはウナギの完全養殖を商業化させ、手頃な価格でお腹一杯ウナギを食べたいと思います。


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