出典:ピーター・F・ドラッカー「経営者の条件」
今週の言葉は、ピーター・ドラッカーの「経営者の条件」から。
今週はドラッカーの「経営者の条件」から何か言葉をピックアップしようと考えていました。
そして、本を開いて最初のページ(まえがき)に、その言葉を見つけてしまいました。書籍を読む手間が省けました(笑)
というのは冗談で、何度読んでも読むたびに新たな発見がある名著であると感じます。
経営者の条件は、エグゼクティブ(成果のために意思決定する者)に向けて成果を出すために必要なことを説明しています。成果をあげている者は、千差万別であり、それぞれに共通していることは成果をあげる力を努力して身に着けているということです。
組織が成果を出すためには、経営者をはじめとして成果に責任を持つエグゼクティブがその成果を出す力を、自らをマネジメントすることで身に着ける必要があるのです。
特に、昨今ではAIや様々なサービスの進展に伴い個人でできること、完結できることの幅が大幅に広がりました。その気になれば、組織であれ個人に近い状態であれ、成果を出す力を発揮することでお客さまや社会に大きく貢献できるのです。
ただ、そのための大前提としては自らをマネジメントすること、です。
経営者の条件には、成果を出すための習慣として以下の8つを挙げています。
①なされるべきことを考える
②組織のことを考える
③アクションプランをつくる
④意思決定を行う
⑤コミュニケーションを行う
⑥機会に焦点を合わせる
⑦会議の生産性をあげる
⑧「私は」でなく「われわれは」を考える
詳しい内容は、書籍「経営者の条件」に譲りますが、これらを習慣にするための実践には、例えば普遍的な制約条件である「時間」を知り、時間を捻出するためのマネジメントなど、常にエグゼクティブには自らのマネジメントを実践することが要求されます。
とはいえ、厳しい規律で自分を縛り付けるような修行僧のような人生を送る必要はありません。
よっぽどの人でなければそのような人生は継続性もありませんし、現にドラッカーは本書で
「私がこれまでの65年のコンサルタントとしてであったCEOのほとんどが、いわゆるリーダータイプでない人だった。性格、姿勢、価値観、強み、弱みのすべてが千差万別だった。外向的な人から内向的な人、頭の柔らかな人から硬い人、大まかな人から細かい人までいろいろだった。」
と言っています。
つまり、それぞれの人が、それぞれの人となりを活かし強みを発揮して、周りの人の強みを活かし組織としての成果を出したということであると私は解釈しました。
自分自身をよく理解し、強みを理解し、できないことを理解し、周りの人を良く見てその人の強みを活かし、トータルとして成果を出すことが大切であり、そのためには、それができるだけの自己マネジメントを成果に向けて行っていくことが大切なのでしょう。
この自己マネジメントには、人格を磨くことも含まれていると感じます。自己を客観視することは時に痛みを伴います。しかし、そこに向き合ってお客さまや社会、組織の成果のために尽くすことは人格の向上を自己に求めます。
成果を出すこと、出し続けることは簡単にできることではなく、成果を出すための習慣を実践するために自分自身をマネジメントした延長線上にあるのですね。
今週のことば、で記載させていただきつつ、私自身改めて自分自身のマネジメントの実践を徹底しなければ、と思い至りました。
皆さまにとっても、ご参考になればうれしく思います。