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先に生まれた人は「未来人」

今週の「言葉」
2024.04.04

先日、とある子どもとの会話の最中に「未来人だね」と言われました。

今を同じく生きているので、最初は「はて?」と思い、「未来」ということで「未来予測(フォーキャスト)」や、現在の延長線上ではない非連続な未来像を想像する「未来洞察(フォーサイト)」のことかと最初は思いましたが、どうやら、「自分より先に生まれて長く生き、沢山のことを知っている・経験して知恵がある」と本人は伝えたかったようです。

このときふと、ソフトバンクの孫正義氏が名付け親ともされている「タイムマシン経営」の発想を思い出しました。海外、特に欧米で成功した事業モデルやサービス、つまり、すでに「未来」を先取りしている国・地域・企業に注目し、そこでうまくいっているものを日本・自社にコピーして早期に展開するやり方です。時間的なアドバンテージを活かすということで「未来」なのでしょう。

この発想での成功事例はあったものの、情報通信インフラが普及しきった今、情報ギャップもほぼ無くなり、日本で認知されていない事業モデルやサービスに出会うこともなくなってきたのでこの発想の有効性も疑問視する声もあるようです。

とはいえ、日々、中堅・中小企業の皆さまとご一緒していると、この「未来人」の発想での取組みは有用と感じるものの、十分に活用しきれていないと感じます。

「事業モデル、ビジネス」とはレベル感がやや異なりますが、具体的には次のような場面です。

①自社内での成功事例や発想・取組みの横展開

複数の拠点展開をしているご商売で、ある拠点でうまくいった方法を他の拠点に活かし切れていないケースです。 お話を伺うと、「定期的に拠点長同士のミーティングをしている(社として制度化されたものにせよ、自主的にせよ)」や「拠点統括者が中継役となって情報交換をしている」とのことですが、内実、数字面での業績確認が主で、あるいは課題の共有に留まっており、その解決策やまったく新しい取組みについてはあまりシェアされていないことが多い印象です。もったいないと感じます。

②他業界の他社事例の活用

前述の「タイムマシン経営」の発想に非常に近いものです。業界団体での交流なども通じて、同業界(同業他社)での事例収集や活用はある程度進められている印象ですが、他業界となると、活用状況がぐっと減っている印象です。多くの取組みにおいて、その導入・活用が進んでいる業界というものはあり、スピード感をもって参考にし、活かせるなら積極的に取り込んでいく発想は有用と感じます。

③自社の過去を長期に振り返って活かす

冒頭の「未来人」の発想そのものです。「時代(事業環境)が異なる」「別の経営陣が行ったこと」などと捨て置いてしまうのではなく、たとえば、自社が過去から長きにわたって大事にしていることや、大きな外的変化があってそれにどう対応したのか、などを引き出すことで、これからの経営に活かせるのではないかと感じます。実際当社でも、たとえば企業理念などを作成・更新する際に社史などの長期の記録・記憶をひも解いてアドバイスさせていただくこともあります。

以上、「未来人」からの発想でご参考になればと思います。


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