「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井さんが今年の入社式で語られた言葉です。動画がウェブに上がっているので全部聞くことができました。
短い時間で多くのことを語られていましたが、そのなかで印象に残ったのが冒頭の言葉です。
この言葉は、チームで仕事をできるようになってほしい、それも「最高のチーム」をつくってほしいという言葉とともに語られていました。そのためには仕事の基本のきができるようになること、そして「相手の役に立つ人になる」ということが必要だというお話でした。
自分が正しいと思うことを主張するだけでは人は動かないものであり、相手の役に立たないと人は話を聞いてくれないのです、と。
「相手の」役に立つというときに、「お客さまの」役に立つことは多くの人が商売の基本として日ごろ考えていることだと思います。ただしチームで仕事をするうえで、「仕事の仲間の」役に立つことを先に考えることができているか、改めて考える機会となりました。
ついつい正論(と自分では思うこと)を主張して、相手が動かないと嘆くことは多いと思います。新入社員向けに語られた言葉ではありますが、実際には仕事に慣れ、解ったようになるころにこそ起きがちなことかもしれません。そしてリーダーの立場になっても、ますます気を付けるべきことではないかと感じました。
さらに柳井さんは、チームにとってなくてはならない存在になるために必要なこととして「謙虚であること」、つまり自分は何も知らないと思い、「無知の知」を自覚して相手の話をしっかり聴くことを心掛けるようにと伝えられていました。
まずは相手の利を考えること、相手の意志を尊重すること、まずは相手に喜んでもらうこと。
そうすることで信頼を得られ、この人の話を聴こうと思ってもらえる。人は感情の生き物です。
柳井さんは、 最高のチームで仕事をすることの素晴らしさ、そのパワーや可能性を人一倍ご存じなのでしょう。一方で「チームで仕事をするのは簡単ではない」と述べられていたように、人と人での信頼関係や繋がりの難しさを身を持って知られているのだと思います。
新入社員からとうに長い時間が過ぎた私たちも、よいチームを創れているかを改めて考え、この言葉に学ぶべきではないかと思いました。