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市場は暴力的である

今週の「言葉」
2022.12.23

出典: 柳井正『経営者になるためのノート』 (PHP研究所)

 

【経営者になるためのノートについて】

この本はファーストリテイリング(ユニクロ)の経営者である柳井正氏が、自社の経営幹部向けに作成したものです。特徴は、ピータードラッカーや松下幸之助、稲盛和夫の経営に対するエッセンスが凝縮されており、経営の原理原則を学ぶ良書となっています。本書の中に、柳井氏が父から経営を譲り受けた後、社員一人を残しその他の社員が全員辞めてしまった経験から経営について猛勉強をして実践を重ねたという記述があります。その中で経営の原理原則を学び実践し、さらにここまでの実績を出されているからこその説得力が本書にはあります。

 

『今週の言葉』はこの書籍の『変革する力』という項目に登場します。そこで以下のように話をされています。

「お客さまは厳しいのです。お客さまは変わりばえしない商品やマンネリ化したお店に対してお金を使いたいと思わないのです。競合もいて、いろいろと魅力的なことを考えて、手をうってきます。社会もすごいスピードで変化をして、人々が求めるものもすごいスピードで変わっていきます。」

 

ユニクロなどの店舗ビジネスを想定して柳井氏はこの話をされていますが、果たしてこれは店舗ビジネスに限ったことなのでしょうか。ここから私が感じ取ったことは「世の中は極めて理不尽だ」ということです。ここ20年の話をすれば、リーマンショックが起こり、東日本大震災が起こり、新型コロナが起こり、ウクライナ侵攻が起こりました。自分たちの都合とは裏腹に世の中は、ビジネスに対してとても理不尽なことを起こします。

 

さらに柳井氏はこう続けます。

「現実を直視するならば、経営者はこれらの変化に負けずに、いやむしろ、変化を機会にするくらいの気持ちで経営をやっていかない限り、お客さまに見放され、会社は消えていくのです。」

 

変化を機会にするためには、変化を先読みし、その変化が自社にどのような影響を与えるかを読み解く必要があります。いわゆる外部環境の分析です。経済、社会、技術、政治などがその要素になりますが、最も重要なものが人口動態です。ドラッカーは人口動態を「すでに起こっている未来」と表現し、読み解くべき変化として強く提唱しています。

来年に向け、自社の外部環境について検討する機会を持ってみてはいかがでしょうか?


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