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アメーバ経営を採用されながら、社員の主体性に問題・課題がありませんか

経営のヒント
2022.12.23

稲盛和夫さんが始められた「アメーバ経営」を採用されている企業様は多くいらっしゃいます。中には、京セラさんのご指導を受けられてアメーバ経営を取り入れられている企業様もございます。

アメーバ経営とは、組織を細分化した上で、その組織ごとの採算を明確にすることで、各組織の生産性向上を通して全社の収益性向上に繋げる仕組みのことです。

 

稲盛和夫さんの著書を読んでいると、京セラを創業された当時、経理の方から会社の業績を聞いている中で、要は売上を上げて、コストを下げていけばよいのだろう、と考えられたのがアメーバ経営の原点だと書かれています。

 

その後、京セラが大きくなってもアメーバ経営を徹底されたことで京セラを高収益企業とされた他、日本航空でもアメーバ経営を取り入れて、日本航空の復活に繋がったとされています。

 

さて、アメーバ経営を採用されている企業様が結構いらっしゃる、ということを冒頭に書きましたが、そうした企業様では小集団の組織毎に採算を可視化され、改善に向けた計画等も策定されています。小集団別採算を可視化するのは結構負荷も大きいと思います。

 

しかし、アメーバ経営を入れられながらも、経営者や経営幹部の方に現状の経営課題を聞くと、「社員が主体的になって考え、動いていない」ということをお話しになることがあります。

 

これは私の考えですが、アメーバ経営を導入されながら、社員の主体性に問題・課題があるとするなら、それはアメーバ経営が期待していた大きな目的の一つである企業家精神の育成ができていないと言わざるをえません。

 

なぜなら、稲盛和夫さんの本を読むと、経営において情熱とか、闘争心を含んだ企業家精神を非常に大事にされています。そして、アメーバ経営は、企業家精神を育む仕掛けの一つではないかと思うのです。

できるだけ多くの社員の方が、「少しでも利益を出す為に、売上を更に上げる為にお客さまに喜ばれる取組みをしたい、またコストを下げる為に工夫をしたい」と考えられるようにする為に、小集団の組織を多くつくり、その採算を可視化することで、改善に向けた取組みができるようにしているのです。

 

それが、アメーバ経営を採用しながら、社員が改善に向けて主体的に考えない、取り組まないとするなら、残念ながらアメーバ経営により企業家精神を育むことができていないと言わざるをえないのです。

 

その原因は様々だと思います。一つ考えられるのは、売上やコスト、利益といった結果ばかりに焦点があたり、そこに至る為のお客さまに喜ばれる取組み、工夫等に対して、社員の方々が働きがいを感じられていないことが考えられます。

アメーバ経営を取り入れられながらも、社員の主体性に問題・課題があるとされる場合、少し数値にフォーカスが当たり過ぎているような感じも受けます。

 

いずれにしても、アメーバ経営を採用されながらも、社員の主体性に問題・課題があるとするならば、一度立ち止まってその原因を突き詰め、対応を考えられることをおすすめします。

 


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