この言葉は、中村天風さんのものです。あの大谷翔平選手が中村天風さんの本を愛読していることからにわかに注目されています。松下幸之助さんや稲盛和夫さんもその哲学に学んだとされる思想家です。

天風さんは、「人生は心ひとつの置きどころ」と説きます。人生にはいろんなことが起こるけど、どんなときにも積極的に前向きに生きようというわけです。「おお暑い、ますます元気が出るねえ。」もその積極精神の表れです。「暑い」とか「寒い」とか、そういう感情が起こるのは仕方がない。それを、どう捉えるかは自分次第。「暑くて大変だ」ではなくて、「ますます元気が出る」と言えば良いのだと天風さんは教えてくれます。

ただのやせ我慢だと思うかもしれません。でも実践してみると、言葉には言霊がやどることを実感できます。「笑いながら起きれば良い」という教えもあるのですが、朝、顔を洗って鏡を見た時に笑顔の練習をするようにしてみました。すると、確かに前向きな気分になれます。

そうした実践を重ねていると、自分の感情とつきあうコツが分かってきます。「暑い」とか「辛い」とか「頭に来た」とか、いろんなマイナスの感情がありますが、それをそのままにしておくとどうなるか。いつまでも、その感情に囚われてしまいます。私も「思い出し怒り」をしがちなのですが、くり返しているとそのマイナスの感情が自分の人生の主人公になってしまう。そんな人生、もったいないですよね。もったいないということに気づくと、自分がこの世に生かされていることが有難いという感謝の気持ちも湧いてきます。

人生も経営も心ひとつの置きどころ。
どんな人生にしたいか、どんな会社にしたいか。いつも前向きで笑顔のある職場には、きっと良いことがあるはずです。前向きになれる言葉を私も磨いていきたいと思います。