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「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか」

今週の「言葉」
2023.04.21

―ピーター・ドラッカー「経営者の条件」より

 

忙しいことは良いことだ、とよく言われます。

しかし、大変忙しくはあっても、何か足踏みしているような、じりじりと後退しているような感覚を覚えることはありませんか?

 

ドラッカーは常に、明日を創る仕事に集中できているかを問いかけます。

 

人の強みを活かし、それを重要な機会に集中することが大切であり、そのためには過去を計画的に廃棄するべきである。だから自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか」を問わなければならない。そして希少な人の強みという資源を明日の機会に充てなければならない、とドラッカーは言います。

 

過去から続けていることをきちんと続ける。日本人は特に得意なことだと思います。

ただ、そのなかに、美徳、信念、そういった言葉で思考停止し、立ち止まって見直さずに行われ続けていることはないでしょうか。実は価値を失いつつあることに気づかないでいることが、少し先の未来に損失となって現れることに、私たちはもっと真剣に向き合うべきではないかと思うのです。

 

ドラッカーはさらに続けます。

「完全な失敗を捨てることは難しくない。自然に消滅する。ところが昨日の成功は非生産的となったあとも生き続ける。もう一つはるかに危険なものがある。本来うまくいくべきでありながら、なぜか成果のあがらないまま続けている仕事である。」

そして、このような不毛な仕事に浪費されるのが最も有能な人たちの能力であることを嘆きます。

 

お客さまは変化します。社会も変化します。それを当たり前として、新しいことに取り組むことの重要性は皆さんも十分お分かりだとは思います。ただ、そのためには、今あるものをまっさらな目で見直して「捨てる」ことをしなくては、余白は生まれません。必要なものをしっかり見極めたうえで、捨て上手になる勇気が求められるのです。

 

頭で分かっていても、本当に難しいことです。過去の成功や頑張りに囚われないことは誰でも難しいのです。

だからこそ、この言葉を常に問うことを習慣とし、その囚われに気づくことを忘れないでおきたいと思います。


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