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損益改善に向けた分析・検討ポイント

経営のヒント
2023.05.05

皆さんの会社では損益改善に向けて何か取り組まれているでしょうか。これまでの弊社のご支援等も踏まえ、損益改善に向けた分析・検討ポイントについてご紹介したいと思います。

 

【損益分析】

まず全社損益について下記のように分析します。

・経年で売上・コスト・利益をみた時の増減とその原因

・計画上の売上・利益と実績との差異とその原因

・他社の利益水準と当社との差異とその原因

3点目の「他社の利益水準」については、調査会社から情報を取得できます。全社損益の分析を通して、自社損益の大きな問題点を特定します。(なお、複数の事業を展開されている場合、事業別損益についても同様の分析を行っていきます。)

 

自社損益の大きな問題点を踏まえて、更に分析を深掘りします。

売上や粗利については、取引先別、製品別の売上・粗利を確認します。取引先別、製品別に確認すると、粗利状況にはバラツキが出てきます。

この時、粗利率が低ければすぐに悪いとは言えません。売上規模が大きければ粗利率が少々低くても粗利総額が大きく、利益貢献が大きくなります。但し、粗利率が過度に低すぎると、その取引先、製品に対して掛けている販売・管理活動のコストを粗利でまかなえず、赤字になることもあります。

 

特に市場が縮小傾向にある場合、低価格競争になりがちです。売上を上げる為には原材料費を上回れればよいとして価格提示することもあるでしょう。もちろん、原材料費を1円でも上回れれば固定費をまかなう原資にはなりますが、その総額が固定費以上とならないと利益は出ません。

 

また、コストの分析としては、費目別の金額はもちろんのこと、費目単位で購入した内容、支払い先等を確認していきます。特に費目別金額が大きいものについては、詳細な調査が必要です。

 

事業が大きくなる中で、拠点別に購買を行う等により、同じ物やサービスでも複数の先から購入することがあります。時には異なる単価で購入する場合もあります。

 

【損益改善】

低い価格提示や粗利率を改善する為には、価格設定のルールや、価格決定のプロセスを見直すことが考えられます。価格設定のルールとしては売上規模等に応じて製造原価プラスxx%を価格の基準とするようなことが考えられます。また、価格決定のプロセスはルールを下回る場合は経営も巻き込んで意思決定します。経営も巻き込むことで価格改善に向けた対応策を検討するのです。

 

また、コストを改善する為には、物やサービスの購入形態の見直しが考えられます。現状の物やサービスと同じ効果が得られる物やサービスがないか、また購入先を集約することで更に価格交渉をすることができないか等を検討していきます。

 

事業を長年行っていると、現在の取引や購買が当たり前のようになりがちですが、改めての分析や改善で損益がよくなることがあります。ぜひ損益を一度見直し頂ければと思います。


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