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仕事も地位も与えられたところがゴールではなくスタート

経営のヒント
2024.04.04

ベストセラーになった『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著)をお読みになったことはありますでしょうか?二匹のネズミと二人の小人が登場し変化は必ず起きるので、それを察知し適応していかないといけないということを示唆する内容です。

二匹と二人は大きなチーズ(好ましい現状)を見つけて、そこで優雅に暮らしていました。しかしある日、突然チーズがなくなりました。ネズミ達は事態を分析したりせず、環境の変化に気付いてすぐさま他のチーズを探しに行きましたが、小人二人は嘆き、他の誰かを責め、原因を探ることを優先し、現実を受け入れることを拒否します。

チーズは長く続いている大きな仕事、社内で役職・権限、幸せな家庭環境と置き換えることができます。そのような好ましい現状が突然無くなったと感じることはしばしば起きます。しかし、それを突然と感じるのは起きている変化に気づいていないからです。チーズは徐々に異臭を放ち、量も減っていたのですが、それに気づかず永遠にチーズはあると思い込んでいるからにほかなりません。

大きな仕事を切られる場合は、お客さまに満足してもらえる努力が足りなかった結果です。

私は顧問先企業で特に大きな取引のお客さまではなぜ自社が選ばれているのか?と結構しつこく質問します。伝説の経営コンサルタント一倉定先生は「ビジネスは、市場における他社との競争」と言っていましたが、他社が自社よりも良いQPSを提供していたら切り替えられるのは時間の問題だからです。取引が長くなるといつの間にか緊張感が無くなりルーズになりがちです。関係が出来ているから色んなことを許してもらえるような錯覚に陥ってしまうのです。しかしお客さまはシビアです。色んなことを許してもらえると勘違いしているのはこちらだけです。金額に見合わない成果しか出せないのであれば切られるし、他社の方が良いと感じれば切り替えられます。

私自身も付き合いの長いお客さまだからこそ、気が緩まないように注意をしています。時間や約束は必ず守りますし、言葉遣い立ち居振る舞いも気を付けるようにしています。

降格人事もしかりで、そのポジションに見合った仕事が出来ていれば降格させられることはありません。

かつてある会社で降格人事をしたことがありました。その際、その降格した役職者は「自分が後輩より下のポジションになるなんて到底受け入れられません」と反論してきたそうです。この役職者は古参で会社に対するロイヤリティも高かったため、どちらかというと沢山のチャンスを与えてもらいました。にも関わらず、そこで努力をせずに安穏と過ごし更には沢山の問題も起こしていました。自己中心的な考えで、慢心しれていればこのような結果になるのは当然です。

大きな仕事も地位も手に入れたところがゴールではなくスタートなのです。現状にあぐらをかいていてはすぐに失うことになります。


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