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宿泊費が高騰し始めた

小宮一慶のモノの見方・考え方
2023.05.09

このところ出張が増えています。そのおかげもあり、かなりの回数、新幹線、在来線の特急、飛行機に乗っています。そして、乗り物の中でも、ホテルでも、街を歩いていても感じるのは、外国人がすごく増えたということです。

コロナに対する警戒感が世界中で格段に下がり、訪日外国人が急増しています。ピークだった2019年(年間で3188万人が訪日)に比べれば、まだ7割程度とのことですが、それでもコロナで訪日客がほぼなくなった時から比べれば、格段に増加しています。

そのこともあり、各地の宿泊料金が高騰しているという話をよく聞きます。コンサルタントは出張の多い仕事なので、20人ほどの当社の社員からもそういう話を聞くようになりました。

先月、通年で開催している後継者ゼミナールが始まりました。来年2月までのプログラムですが、今回は2泊3日で当社の東京のセミナールームで開催しました。8名の参加者のうち5名は地方からの人たちで、「ホテルが高い」、「見つからなかった」という人が大半でした。よく聞いてみると、ホテルが見つかりにくいのとあまりにホテル代が高いので、カプセルホテルに泊まったという人が2名いました。それでも1泊8千円したそうです。

テレビのニュースでも、地方から出張してきた女性が、「自社の規定の出張代で泊まれるのは、いまの東京ではカプセルホテルくらい」という話をしていました。

この話を聞いて、私は2015年のことを思い出しました。このころから訪日客が急増したのですが、ホテル建設が追い付かず、その年の春に大阪に出張するために普段の3倍くらいの宿泊代を支払ったことがあったからです。

しかし、その後、全国的にホテルの建設が進みました。そして、2020年春からはコロナの影響が出始め、ホテル代は急落しました。有名なあるビジネスホテルチェーンでは、需要によって変わる「ダイナミックプライシング」を行っていますが、大阪で通常は7千円前後の部屋が訪日客が急増していたころには2万円ほどになり話題になりましたが、コロナの最盛期には2千円台で提供されていたこともありました。私が京都でよく泊まる駅前のホテルも半額程度のこともありました。

そして、コロナの影響がほぼなくなった昨今ですが、先にも述べたようにホテル代が高騰しています。当然のようにも感じますが、コロナ前に比べてホテルの客室数が格段に増えていることを考えると、「異常に」高いような気がします。ひとつには、客室数に比べてホテルの従業員が足りていないという話を聞きます。そのため、需要があっても100%稼働させられないので実際の稼働数は十分ではないというのです。

いずれにしても、今後の状況が気になるところです。中国人の団体客の訪日がこれから本格化する予定で、そうなるとさらにホテル需要は高まります。あまりにホテル代金が高くなると、私たちのようにビジネスで出張する者にも影響が出ます。公的な旅行支援をそろそろやめるべきではないでしょうか。コロナでリモートも進みましたが、今後の動向に注目です。


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