会社の空気が良い、空気が悪い、そんな表現を聞きます。
ふわっとした表現ですが、この「空気」、結構侮れないものだと思います。
先日、ある経営者の方とお話する機会がありました。その方は、大きく会社が傾くような危機的な状況下で社長に就任されたあと、その会社の立て直しをされてこられた方です。
その方によると「自分がしてきたことは『空気づくり』なんです」とのこと。
社員一人ひとりがいきいきと活躍することと、横のつながりを持ち全社のチームワークを高め、お客さまに喜んで頂くことを目指され、そのために社員の方に語り、話を聞き、つながる仕組みや学びの時間を根気よく作ってこられました。
そして、その会社は今や若い人材を惹きつける、地域の就職人気でトップを争う企業になっています。
会社という組織は人の集まりです。
皆さんもご経験があると思いますが、人は集団をつくると、周囲の雰囲気に同調する圧力を感じる傾向があります。
ですので、この「空気」というのは伝染し固定化しやすいのだと思います。
ここで、「空気」という表現は曖昧なので、
会社の「空気が悪い」、というときの具体的な状況を例として挙げてみます。
・上司にものが言いにくい
・部署間の仲が悪い
・お互いに関心が薄い
・行動に対して批判的な意見が出やすい、他責的
・責任の押し付け合い
・新しいことが起きない
息苦しく、停滞したような環境が浮かびます。
では、会社の「空気が良い」、というときの状況はどうでしょう。
・上司に提案がしやすい
・部署間の連携が活発
・お互いに理解しあい尊重されている
・行動を起こすことを称賛される
・責任がはっきりし仕事を任される
・次々と新しいことが起きている
こちらは、自由で活性化している環境が浮かびます。
明らかに、後者の環境のほうが会社が成長するように感じますね。
このような会社であれば、人材を惹きつけ、採用もうまく行きそうです。
社内の空気が良いか悪いかは、上記のような分解をしなくても、まず「感じる」ことができます。その感じたことを、そのままにしないことです。
そこから何が原因になっているのかを考え、ありたい姿を描き、その姿に向かって働きかけていくことで、空気は「変える」ことができます。
良くない空気を感じて不満を言うだけでは、さらにその悪い空気は増幅します。
良い空気を作り出す側に回る人が増えれば、良い空気へ変えていくことができます。
経営者や、中間管理職の方々こそ、社内の空気に敏感になり、良い空気へと導く存在であってほしいと思います。