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「自分の才能とかやってきたことをもっと信じたほうが良い」

今週の「言葉」
2023.06.02

今週の言葉は、元大リーガーのイチローさんが大谷翔平選手にかけた言葉です。

 

■大リーグ1年目の開幕前

WBC(ワールドベースボールクラシック)では世界一に貢献しMVPに。3月に開幕を迎えた大リーグにおいても活躍を見せる大谷翔平選手。

 

現在、投打において中心選手としてハイレベルな成績を残している大谷選手ですが、大リーグに初挑戦となった1年目の開幕前は、多くの評論家がその挑戦は無謀だと報道していました。

 

その理由として、1年目のオープン戦での成績は、防御率27.00、打率.125と投打ともに結果を残せていませんでした。

 

そうした中、大谷選手は、ある行動に出ました。イチローさんに連絡を取ったのです。その時のことを大谷選手はこう振り返っています。

 

「普段、コーチのところに行って話したりしない。ましてイチローさんに話を聞くなんてあってはならない。僕ぐらいの選手がいいのかな」と戸惑いながら連絡を取ったと言います。それほど、何とかしたいという気持ちが強かったことが伺えます。

 

イチローさんからは「ビデオ電話でバットを持ちながらやろうか」と提案されたのですが、大谷選手は「お願いしておいてビデオ電話はない。自分で行くべきだなと思い、バット1本を持って家にお邪魔した」と。

 

■イチローさんが伝えたこと

イチローさんの自宅で1時間ほど話をしたという。そこでは、技術的なことの話もあったそうだが、大谷選手が「自分がほしかった言葉」と心にささったのは「自分の才能とかやってきたことをもっと信じたほうが良い」という言葉でした。この言葉が、大谷選手が目覚めるきっかけになったのです。最後にユンケルをもらって帰ったそうです(笑)

 

そして、大リーグ1年目が開幕。結果は、打者で104試合(先発84試合)に出場し、打率.28561打点、22本塁打。さらに自己最多の10盗塁。投手としては42敗。22本塁打は、日本選手の1年目として最多記録を更新。「投手として10先発、打者として20本塁打以上、2桁盗塁」を記録したのは当時メジャー史上初の快挙でした。

 

イチローさんの言葉から、私が注目したのは「これまでやってきたことを信じろ」という点でした。その理由は、弊社代表小宮の「宝石の原石」という話を思い出したからです。

 

小宮は「人間は宝石の原石。誰でも磨けば光を放つことができる。太陽が上がった明るいときは、少し磨いた宝石もしっかりと光る。でも暗闇になると、どの宝石も光らなくなる。その暗闇の中でも必死に磨いている宝石は、暗闇から太陽が上がってきたときのちょっとの光に一番にまぶしく輝く」と。

 

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、太陽が上がっているときは環境が良いときのことを言っていて、暗闇は環境が悪いときのことを言っています。良いときも悪いときも『宝石の原石を磨くこと=努力をし続けること』の大切さを伝えているお話になります。

 

イチローさんは、大谷選手に対して「これまでやってきた翔平の努力は間違っていない。誰よりも自分の才能を信じ、二刀流で活躍することを信じ、努力をし続けてきたんだろ。野球がうまくなるために自分の時間をすべてかけてきたんだろ。そこに嘘はない。翔平の努力を俺も信じてる」というような想いをその言葉に込めているのではないかと私は考えたのです。

 

■やりぬく力=GRIT

アメリカで「天才賞」とも称されるマッカーサー賞を受賞したペンシルベニア大学心理学教授のアンジェラ・ダックワース氏。彼女が受賞したその研究成果をまとめた『やり抜く力(GRIT)』でこう言っています。

 

「どの分野であれ、人々が成功して偉業を達成するには、『才能』よりも『やり抜く力』が重要である。成功には『才能』の優劣よりも努力の継続、つまり、『やり抜く力』が決定的な影響を及ぼす」と示しており、「自分にとって最も重要と定めた目標に対して不変の興味を抱きながら、粘り強く取り組む『情熱』と、困難や挫折に負けずに努力を続ける『粘り強さ』がそろっていれば、誰もが目標を成し遂げられる」と説いています。

 

まさに大谷翔平選手がやっていることです。そして、それはイチローさんも同じ。そんなイチローさんの言葉だからこそ、大谷翔平選手は目覚めたのかもしれません。


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