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決算説明会資料で企業動向を分析する

経営のヒント
2023.09.14

経営戦略・経営計画を作成する際によく感じることがあります。それは経営者・経営幹部ですら業界動向や同業他社のことをあまりにも知らなすぎるということです。勿論、幹部になって現場を離れると業界の細かい動きをタイムリーに知ることは難しいかもしれませんが、全体の大きな動きすらよく分かっていない方が多い気がします。

そのようなことを感じた時、オススメしているのは同業の上場企業の決算説明会資料(決算プレゼンテーション資料ということもあります)を読み込むことです。上場企業の公表する資料としては決算短信・有価証券報告書などが有名ですが、この二つの資料は文字も細かく、あまりに情報量が多いため、見るポイントが分からないと読み込むのにかなりの時間を要します。またある程度決まったフォーマットに事実情報が記載されているため企業として主張したいことの強弱も付けられておらず、重要な情報でも見落としてしまうことがあります。しかし決算説明会資料はプレゼン用資料なので見やすく簡潔に作られており、今後の方向性など主張したいことが明確なのでとても分かりやすいです。

基本的に決算数字の発表は締め日から45日以内と定められているため、3月決算なら5月中旬までに発表されます。そのタイミングに合わせて決算説明会資料もリリースされます。規模の大きな企業であれば四半期ごとにリリースしており、タイムリーの状況の把握をすることができます。

決算短信・有価証券報告書と比べて構成は自由度が高いので、内容は企業側の都合の良いことがアピールされている傾向があります。大きな損失が計上された場合なども投資家が不安にならないように細かい要因や言い訳じみたことも記載されています。

そのように多少恣意的な部分もありますが、同業他社の上場企業の決算説明会資料を複数社、定期的に読み込んでいれば業界の大きな流れを把握することができます。

決算説明会資料を読みこみ、幹部メンバーで意見交換するような時間を持てば更に理解が深まり、自社の経営戦略・経営計画の精度が高まることは間違いありません。

以前、ある一部上場の役員候補向け研修を実施した際にも同業他社6社の決算説明会資料を読み込み分析した上でディスカッションをしてもらったことがありますが、参加メンバーの方から目からウロコでしたとおっしゃられていました。

経営層の方でなくとも、業界動向を把握しておけば仕事をする上で役に立つことは間違いなく、社内外の評価も上がります。販売先や仕入先の動向を掴むことができるので、今まで以上に懐に入り込むきっかけにもなります。上場企業に商談に伺う際は必ず直近の資料に目を通すことをオススメします。

このように決算説明会資料は経営戦略・経営計画を立てるだけでなく、日常的な商談にもとても役に立ちます。「企業名 決算説明会資料」で検索すれば簡単に見つけることができるので、是非活用してみてください。


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