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京都のオーバーツーリズムには観光税導入を

小宮一慶のモノの見方・考え方
2023.11.28

今月後半は移動が多く、沖縄、富士、京都、大阪と移動しました。沖縄、富士、京都では講演、大阪はテレビ収録でした。
皆さんもお気づきのように、観光シーズン真っ盛りの今、日本各地に多くの外国人観光客が訪れています。10月には、単月で過去最高の約250万人の訪日客を記録したとのことです。もちろん、この時期は多くの日本人も旅行をしています。沖縄を訪れた時も飛行機は満席、大阪から帰る新幹線もほぼ満席の状態でした。
そして、このところ問題になっているのがオーバーツーリズムです。各地に観光客が押し寄せ過ぎ、大混雑をもたらすとともに、そこに住む方たちの市民生活に大きな影響が出ているのです。とくに、京都は深刻です。
京都へ行く新幹線の中でも、車掌さんが「『そうだ 京都、行こう』のキャンペーンをやっていて恐縮ですが」に続いて、「道路渋滞緩和のために、できるだけ市営地下鉄をご利用ください」というアナウンスをしていました。それほど大勢の観光客でごった返しているのです。
私は京都出張には慣れているつもりでしたが、今回の京都行きは結構驚くことが少なくありませんでした。今回は京都の後、大阪に行くので、東京駅で京都駅までの特急券と「東京(都区内)―大阪(市内)」までの乗車券を買って、翌日、京都駅で新大阪行きの新幹線の特急券を発券する予定でした。普段はEX-ICといってICカードをタッチするだけで新幹線に乗車するのですが、途中下車する際には乗車券を通しで買うために、いまでも機械で発券しなければならないのです。
普段ならそれで問題はないのですが、京都駅に着いて、改札を出たところでは、発券機の前が長蛇の列で、おそらく30分ほどは並ばなければならない様子でした。その並んでいる人も多くが、スーツケースを持った外国人で、それ以上に時間がかかるかもしれません。
私は、乗車券の残りが大阪まであったのですが、それをあきらめて、EX-ICで翌日の新幹線を取り直しました。発券まで30分も券売機の前で並ぶとなると、ずいぶん早く前に京都駅に来ない限りは、予定している列車に乗り遅れると思ったからです。
一方、京都駅前のタクシー乗り場は長蛇の列で、実験的だと思われますが、金閣寺行きの乗り合いタクシーをタクシー協会の人が観光客に勧めていました。
もちろん、私は、講演会場だった京都市役所前のホテルには、地下鉄で向かいましたが、その地下鉄も大きなスーツケースを引っ張る観光客で一杯でした。
京都駅前には、佐川急便による、臨時と思われる結構大きなスーツケース預り所もできていましたが、焼け石に水の状態でした。今回市バスには乗りませんでしたが、以前、市民の方から「大きなスーツケースを持った観光客のせいで、市バスに乗るのもひと苦労」という話を聞きましたが、市民生活にも少なからぬ影響が出ています。
私たち仕事で訪れる人間にも影響は小さくなく、普段泊まる京都駅前のホテルは、通常なら1泊2万円台くらいの宿泊費ですが、今回は7万8千円に高騰しており、私はそのホテルをあきらめ、講演主催者が用意してくれた別のホテルに泊まりました。
もちろん、コロナで苦労した観光業界ですから、いまは十分に潤ってほしいとは思いますが、あまりに「オーバー」となり過ぎると、負の面も大きく出てくることにも注意が必要なことは言うまでもありません。京都などのオーバーツーリズムを感じる地域は、外国人からは観光シーズンにはそれほど安くない観光税を取るのも一案かと思います。

 


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