できた理由・できている理由はなにか | コンサルタントコラム | 中堅・中小企業向け経営コンサルティングの小宮コンサルタンツ
loginKC会員専用お問い合わせ

コンサルタントコラム

ホームchevron_rightコンサルタントコラムchevron_rightできた理由・できている理由はなにか

できた理由・できている理由はなにか

今週の「言葉」
2023.11.30

何か新しいことをしたときの成功理由、あるいは、定常的なことが適切に想定通りに進んでいる理由について、分析されたことはありますでしょうか。

かつて、野球・野村克也監督が、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と述べたそうですが、これはもともと、江戸時代、肥後国平戸藩の藩主・松浦静山の言を引用したもののようです。一般には、「失敗は必然、成功は偶然」という表現もあるようですが、「原因があって結果があり、必然なのだから原因分析して対策を打とう」ということが、どちらかと言えば強調されています。

先日、某販売代理店様と財務状況についてミーティングをしていたときのことです。過去3期分の業績推移を見ると、直近期では伸長が著しく、売上高は前年比+15%、営業利益は同+50%でした。社長は非常にホクホク顔な反面、危機感を感じるご様子だったので楽観視はしておられなかったようですが、私からは、この伸長は、①一時的(特需的)なのか/継続的なのか、②特定個人の影響なのか/組織・チームプレーの好影響なのか、という質問をいたしました。

お話を伺うと、特需的で来年度一杯を限度にその効果は薄まること、特定個人の営業が奏功したのであり、組織的な底上げによるものではないことがわかりました。その意味では営業のワントップ体制(ひとりへの売上依存)は変わらず、長年のテーマである組織総合力の向上は依然として課題とのことでした。売上好調で財務状態が良好なうちに、継続課題への対応も含め、次の打ち手の協議をしました。

営業の場面では、失注分析をなさるところも多いと思いますが、なぜ取れたのかを深掘りする受注分析も有効ではないかと思います。どちらの分析にせよ、「よりよくする」というゴールに向けたアプローチの違いであり、勝ちパターンの発見が目的ではありますが、取れたということは、今の製商品・サービスやアプローチが通用するマーケットがある、ということですし、いわゆる横展開にもつながりやすいのではないかと思います。他方、失注分析は、分析の使い分け次第ですが、「次回からこう改善しよう」などの課題のつぶし込みが行われ、改善へのトライアルが続く印象です。

営業以外の場面でも、うまく事が運んでいてもなお、その要因をつぶさに分析することで、そこからリスク対応や改善へのヒントが得られるかもしれません。特に、「人」の要素が強いと思います。たとえば、「その人がいるから規律が守られ、ツールが適切に使われている/若手が成長している」(逆に言えば、部署異動や離職は社の損失)、「Aさんはアイデアを出し、Bさんはまとめ役・実践役」(よって、チーム力が発揮されている)などです。

うまく事が運んでいるとき、(偶然の要素もあるにせよ)解明できることは解明して経営・運営に臨むという姿勢が大切ではないかと感じます。


お問い合わせCONTACT US

コンサルティング、セミナー、KC会員についてなど、
お気軽にご相談ください。