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どのように理念浸透をしていくか?

経営のヒント
2026.06.08

「理念は掲げているものの、なかなか浸透しない」
こうしたお悩みを抱えている経営者の方も多くいらっしゃいます。 

■理念浸透が必要な理由
そもそもなぜ理念浸透が必要なのでしょうか? 

松下幸之助さんは「実践経営哲学」(PHP研究所)の中で、次のように話されています。
「経営の健全な発展を生むためには、まずこの経営理念を持つということから始めなくてはならない。(中略)(理念が浸透すると)経営に魂が入ったといってもいいような状態になったわけである。そして、それからは、われながら驚くほど事業は急速に発展したのである。」 

実際に理念浸透に取り組まれた会社さんを調べたところ、次のような変化が起きていました。

例)
判断の根拠が明確になり、一人一人が判断できるようになる(自律的になる、意思決定が早くなる)
社員の意識・行動がそろい、大きな力が出る
離職率が下がる
採用力が上がる
働きがいが高まる
お客さまに喜んでいただける(結果として売上・利益が増える)など 

理念浸透の具体的な事例として、次のような会社があります。

 

・伊那食品工業様
50期増収増益、応募倍率は一時60倍超え
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51216

・宮坂建設工業様
離職率の高い建設業界において、離職率1.9%を実現
https://www.miyasaka-cc.co.jp/recruit/faq 

他にもツムラ様、京セラ様、日本理化学工業様、星野リゾート様などが有名ですが、いずれの会社も安定した実績をあげられています。

■理念浸透の進め方
では、どのように自社で理念浸透を進めればよいのでしょうか? 

当社代表の小宮は次のように言います。
「ミッション・ビジョン・ウェイ(行動規範)が浸透していくためには、社員さんが『働きがい』を感じていることが必要です。働きがいを感じるためには、良い仕事(お客さまが喜ぶ、働く仲間が喜ぶ、工夫)に集中することです。」 

理念浸透の順番を整理すると、次のようになります。
1.「良い仕事」(お客さまが喜ぶ、働く仲間が喜ぶ、工夫)に集中する
2.良い仕事をすることで、お客さまや働く仲間から「感謝」をいただける
3.感謝を受け取ると「働きがい」を感じる
4.ミッション・ビジョン・ウェイが浸透する 

朝礼で唱和を始めることは1~3のステップを飛ばして、いきなり4から始めることになるため浸透が難しくなります。そのため、まずは「1.良い仕事に集中いただくこと」が重要となります。また、2に関して、お客さまや働く仲間から「ありがとう」と言ってもらえる機会を増やすことも経営者として大切な取り組みとなります。

例えば、社員同士でありがとうをカードに書く「サンキューカード」の取り組みを継続的に実施されている企業があります。これは、感謝の見える化、承認の文化づくり、社内コミュニケーションの活性化などを目的としています。「サンキューカード」では、通常働いていると成果に着目されがちですが、そうした成果だけでなく「日常の行動を承認する」という点がポイントになります。例えば、「資料準備助かりました」「忙しい時にフォローありがとう」といったメッセージを送ったり、社内に掲示している事例があります。

■できるところから始める
先ほど理念浸透の順番として1~4があると整理しましたが、個人的にはステップ0として「経営者が覚悟する」があると考えています。 

「ツムラの理念経営」(PHP研究所)において、加藤社長は次のように話されています。
「(理念浸透が)簡単なことではないのはよくわかっています。定着させるには、最低でも10年は続けなくてはいけないと考えてスタートしています。」

ただ、いきなり「10年やるぞ」と言う覚悟は、相当な覚悟とも感じています。

私個人としては、0~4は必ずしも順番ではなく行ったり来たりしつつ、循環しながら少しずつ浸透していくのではと考えています。そのため、もし「0覚悟する」ということが難しかったとしても、「できるところから循環を動かし始める」ということが大切ではと感じます。

まずは、スモールスタート(小さな一歩)として、良い仕事に集中いただくことや、お客さまや働く仲間から「ありがとう」をいただきやすくなる仕組みづくりから取り組んでみるというのはいかがでしょうか。

唐澤 恭平

 


コンサルタント
唐澤 恭平 (からさわ きょうへい)
筑波大学大学院 体育研究科修了、中学・高校保健体育教員免許取得。本田技研工業株式会社 栃木製作所にて、研修の企画・運営を担当。その後、新たな挑戦として輸入販売事業を開始。事業が軌道に乗ったタイミングで独立し、30歳で法人化。約10年間、会社経営に携わる。海外企業と直接交渉し、日本総輸入代理店としてAmazonにて独占的に販売。スポーツ、アウトドア、ペット、キッチン、ベビー、寝具、アクセサリなど幅広いジャンルを取り扱う。しかし、一方的な価格変更や取引中止などがあり、事業の不安定さに悩んでいた。海外企業の意向を受けず、事業を安定成長させるためには、自社商品を持つ必要があると判断。ファブレスとして「企画・設計・販売」を行い、OEM企業に「生産」を委託する形へと転換。自社ブランドにて製品を販売することで売上が安定、複数商品にてランキング1位を獲得した。その後、農業事業に興味を持ち、建設コンサルタント最大手の日本工営株式会社へ転職。BtoBマーケティングをゼロから立ち上げ、サービスサイト制作、ウェビナー集客(200名以上)、数千~2万人規模の展示会出展支援など幅広い施策を実施。小宮コンサルタンツ入社、現在に至る。

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