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ワクチン接種で秋から景気回復へ

小宮一慶のモノの見方・考え方
2021.06.08

13月の日本のGDPが発表されました。物価の変動を除いた実質で年率5.1%のマイナスというかなり厳しい数字が出ました。生活実感に近い、実額でのGDPである名目値も年額で542兆円と、前の四半期に比べて9兆円程度の減少となりました。名目GDPは給与の源泉ですから、厳しい状況が続いているわけです。

 

一方、米国の同時期の実質GDPはプラス6.4%、中国にいたってはプラス18.3%と日本と比べて大きな差となりました。13月期はロックダウンもあった欧州では、ユーロ圏全体でマイナス2.5%、英国はマイナス5.9%と厳しい状況でした。コロナウイルスの状況やそれに対する対応で、経済成長に大きな差が出ているのが13月期でした。

 

一方、欧州では、ワクチン接種が進み、このところ、ロンドンではパブが再開されたなどのニュースが流れています。4-6月期では欧州は7%程度の経済成長を見込むエコノミストもいます。結局ワクチンの接種状況次第で経済の状況が変わるという傾向が鮮明になっています。

 

このことは物価上昇にも表れており、ユーロ圏や英国では、4月は消費者物価上昇率が、それぞれ、1.6%、1.5%です。米国はなんと4.2%の上昇です。中国や台湾などのアジア諸国も物価上昇率はプラスです。一方、4月の日本の消費者物価上昇率はマイナス0.1%で、主要国の中で、景気回復の遅れや弱さが物価にも表れています。これもワクチン接種の遅れが大きな原因と考えられます。緊急事態宣言などで経済活動が大きく制限されているからです。残念ながら日本は現在の4-6月期もさほどの経済回復は見込めないでしょう。

 

一方、日本では、最近になりワクチン接種が少しスピードを上げつつあります。1日50万人程度の接種は見込める状況となっています。先週、接種回数が1千万回を超えたということですが、あと100日もすれば、接種回数は累計で6千万回程度にはなると考えられます。高い免疫を得るには2回の接種が必要ですが、とりあえず1回でもワクチンを打った人の回数が増えれば、感染者数は減少し、緊急事態宣などの発出はなくなり、経済活動への制約は大きく減ると考えられます。

 

もちろん私は感染症の専門家ではありませんが、今の接種ペースが落ちなければ、10月か11月ころには感染はかなりの落ち着きを見せるのではないでしょうか。

 

懸念材料は変異株です。インドで変異株による感染爆発が起こり、ベトナムでも新たな変異株が発見されたというニュースがありました。ワクチンの効き方にも影響があるかもしれません。東京五輪という読めない変数もあります。

 

いずれにしても、諸外国のGDPなどの数字を見ている限り、秋以降の日本の経済回復に期待を持ってもいいと考えます。厳しい業界の方も多いと思いますが、それまでは資金繰りを十分確保してもうしばらく辛抱してください。

 

小宮一慶


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