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リーダーであるために必要な試練

経営のヒント
2021.09.30

自民党総裁選の結果、岸田文雄さんが自民党総裁に当選しました。

様々な意見があるでしょうが、国家として政党としての適切なガバナンスを通じて選出されたリーダーです。

 

岸田さんの政策は所得の再分配に力点を置いて、成長と分配の好循環を経済対策の柱に掲げています。

その実はこれから問われることになるでしょうが、総裁選の活動を通して他の候補者との意見交換、議論などを通じて自らの政策がさらに磨かれてきている部分もあるでしょう。もともとの政策の弱点なども客観視することによって今後の政権上に活かされていくことになるでしょう。また、一部ではこの総裁選を通して岸田さん自身が大きく成長し存在感を増したと言う意見も聞かれます。

米国の大統領選にしても、長丁場で相互に意見交換をしあって選定される適切な国家としてのガバナンスがあります。
リーダー選出のプロセスに、リーダーそのもののビジョンを磨き成長を促す仕組み・ガバナンスが組み込まれているのです。

 

これに対して、オーナー企業で未上場の会社の経営者はリーダーになるために必要な選出のプロセスは明確でなく、試練がないことも多々あります

また、健康上の問題や年齢の問題を除き基本的には任期の制限も存在しないことが一般的です。

だからこそ、自分自身で自分を律する必要があると言う事でもあり、それが非常に難しいと言うことでもあります。

選出における試練がなく、そしてそれを指摘する人も通常存在しないため、自分自身を磨き向上させることがとても大変なのです。

 

松下幸之助さんが、周知を集めた全体経営とおっしゃられているように、リーダーとしての選出において必要な仕組み・ガバナンスがない分、自分自身の判断を適切に行うためにも周知を集めるということが必要になってきます。
また、このスタンスとして、素直で謙虚であることや、人格を磨き続ける事によって、特権的なリーダーと言う位置づけから適切なバランスを経て選ばれたリーダー以上のパフォーマンスを出すように自分自身を磨いていく必要があるということでもあります。
ユニクロの柳井さん、ニトリの似鳥さんなど偉大な企業に成長したオーナー経営者は、例外なくこの試練に打ち勝っていると言えるのではないでしょうか。

コンサルタントや士業の方々にしてみれば、経営者の方・オーナー経営者の方が特権階級の裸の王様にならないように適切な意見交換を行うことによって、自身を向上させる・「なれる最高の自分」になっていただくことを支援する環境の一部になる必要があるでしょう。

 

経営コンサルタントの一倉定さんが、「世の中には良い会社・悪い会社と言うのはなく、良い社長・悪い社長がいるだけだ」とおっしゃっていました。

改めてこのように考えると、リーダー選出のためのガバナンスがない会社においては、そのリーダー自身が自分自身を継続的に磨いていく、客観視する視点があるかどうかによってだいぶ会社の先行きが変わってくる事は間違いないでしょう。

 

日々の仕事において、総裁選を戦ったかのように自分自身の人格やこの先の会社の方向付け・ビジョン、具体論について徹底的に議論をし、批判され自身で客観視し様々な意見をもらうような環境を作ることが、これから先の会社経営にとって非常に有効なことなのではないかと思います。

 

今回の総裁選を経て、惜しくも落選をした河野太郎さん、高市早苗さん、野田聖子さんなど、様々な人がかけていた政策も岸田さんに大きな影響を与えることになるでしょう。

経営陣・マネジメントチームの方々は、オーナー経営者、経営者の方にとってもそのような役割を果たしていく必要があります。

 

私のような経営コンサルタントにしても、お客さまであるオーナー企業の経営者の方に対しては総裁選の対立候補のような役割を演じなければいけない時もあります。そしてそのようにしながら、経営者の方に自分自身の考え方を客観視していただきながら参考になる意見を提供し、政策・ビジョン、会社経営で言えば会社の方向付けに落とし込んでいただく、または落とし込むお手伝いをさせていただくと言うことが仕事の本質であると考えています。

 

その上で、オーナー経営者の方が継続的に自ら学び、自らの人格を磨き、志を高めていくことができれば、その会社の先行きはかなり明るいものになると言えるでしょう。

その経営者の方のレベルが、関わるコンサルタント以上に大幅に上がることによってコンサルタントは不要になっていきます。なので関わらせていただく私にしても、そのようにならないように一生懸命学び経営者の方に寄り添いお互いのコンフォートゾーンを上げていきたいと思う次第です。

このような関係を切磋琢磨の関係というのではないかと思います。どちらかが成長をやめればその時点で切磋琢磨の関係は終わってしまうかもしれません。それで終わらない関係は、言葉を選ばずに言えば単なるなれ合いの関係になってしまいます。

だからこそ、お互いに自分だけでは成しえない成長の追求が継続できる関係ができるのではないかと考えています。

KC会員の皆さまは、経営者の方・経営陣の方同志、お互いに切磋琢磨の関係を築いていただいている方が多くいらっしゃいます。
お読みいただいているKCクラブの皆さまも、様々な場面で充実した切磋琢磨の関係を築いていっていただけるように祈っております。

 


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