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今週の経済の動きと経営の切り口 ~日本の景気動向とエネルギー価格高騰による世界の物価上昇~

経営のお役立ち情報
2021.10.08

「今週の経済の動き」については、「今週の日経新聞の数字トピック30!」と合わせてお読み頂くことで、より理解が深まる構成になっております。「数字トピック30」に記載している数字に関しては、※( )で番号を記載しておりますので、ぜひ参照下さいませ。

 

岸田内閣発足後株価が8日連続下げています。※(1) 岸田内閣の支持率も59%※(25)と当初の想定よりも振るわない状況です。
この株安傾向は日本だけの問題では無く世界的な株安の傾向に引っ張られている部分が大きいです。前回も触れましたが、アメリカの金融緩和の縮小に向けて政府頼みの相場から平時への痛みを伴う回帰が進んでいると言えるでしょう。これに伴いドルによって安く調達した資金を新興国や他の投資対象に振り向けていたドルキャリートレードの逆流が起きているという記事もありました。
そこに輪をかけて、中国恒大の問題もあり、また米国の財政の崖の懸念も燻っており追い打ちをかける状況となっています。コロナの影響によって大盤振る舞いされた資金が、落ち着くところに落ち着く落としているような状況と言えるかもしれません。

 

このような世界的なマネーの状況とは別に、日本国内の状況も厳しいと言わざるを得ません。需給キャップがマイナス22兆円(22兆円の需要不足)、GDPの3.9%相当のマイナス※(2)と言うこともあり、日本が周回遅れの経済状況であることを大きく示す結果となっています。従前から述べている通り、需要の弱さは消費者物価にも現れています。日本の8月の消費者物価は前月比でマイナス0.1なのに対して米国では4.3%。※(3) EUの消費者物価指数は3.4%上昇傾向にあります。※(4)

 

また、コロナ禍においても強いとされてきた大企業製造業においても、日銀短観業況判断指数(大企業製造業)は14と現場から4ポイント悪化しています。※(5)自動車産業の半導体不足による減産の影響や、内需型産業も物流の停滞や働き手不足が起きている状況で、鉱工業生産指数も8月は前月比3.2%低下※(6)と振るわない状況です。景気の停滞がコロナ禍で狙い打たれた業界から広がりを見せていると言えるかもしれません。

需要や投資意欲の弱まりは金融機関の預貸率の低下と言う形でも現れています。2021年3月末時点の預貸率は全国平均で58.1%で、この20年間で28.9ポイントも下がりました。※(7) 金融緩和によって金余りになったとしても、投資意欲がないため銀行が貸し出しができない状態になっていることの証左でしょう。金融政策によって資金を供給しても貸し出しに回っていかない状態が如実に表れています。

根本的な財政問題を抱える日本ですが、このように金融緩和だけでは投資意欲の向上や消費の喚起は望めず、財政出動を行うことによって需要を創出することが求められる状況であることは変わりません。
しかしながら、コロナ禍における制度融資の返済がそろそろ始まってくる状況でもあるため、今後においては返済の滞りにより新たな救済が必要になる場面が出てくることでしょう。

 

【環境とエネルギー問題】
環境問題とエネルギー問題について、理想と現実のギャップが現れ始めている場面が出てきています。
中国やインドで燃料不足の事態に陥っています。※(20) 石炭価格やLNGの価格が高騰し、在庫水準も減少しています。※(17)、(18)

再生可能エネルギーだけで電力が賄えるわけではないと言う事実が改めて浮き彫りになっています。

実需に基づくエネルギー価格だけではなく、金融緩和に基づくマネーの流入や地政学的な問題に基づく欧州とロシアの関係など複雑に絡まり合う環境問題とエネルギー問題、そしてそれらが消費者物価にも影響してくると言う複雑系の状況を呈しています。

 

コロナ禍からの脱却に伴う経済再開に向けたエネルギー需要に対して、金融緩和や地政学的なリスクからの相場の上昇がアンバランスとなっておりエネルギー問題が勃発しています。
これは、何もエネルギー問題に限った話ではなく、ウッドショックと言われる木材の不足や、その他様々なサプライチェーンの影響とも構造的な共通点があります

このようなサプライチェーンの問題、エネルギーの問題と、エリアごとにばらつきのあるコロナ禍の状況が、国内の大企業製造業にも暗い影を落としていると言えるでしょう。

 

【岸田政権の今後】
このような状況の中で、岸田内閣は新時代共創内閣と言うことで発足したわけですが、支持率が59%と振るわない状況です。※(25)
内閣発足も、10月31日に投開票が行われる衆議院選挙のための一時的な体制であり、改めて国民の信を問うための政権となります。今回の総選挙で信を得られたと判断されれば今回の内閣は継続することが想定されますが、そうならなかった場合には超短期政権となります。
基本的には内閣発足後支持率は段階を経て低下することが一般的であるため、内閣成立後早期における衆議院選挙を実施することによって有利に選挙を進めたい考えと言えるでしょう。
コロナウィルスの落ち着きのもとで緊急事態宣言も解除されたこともあり、良いタイミングでの衆議院選挙となると想定されます。だからといって現状の支持率を見ると安泰とは言えないが、野党がしっかりしていないこともあり選挙戦は無難に乗り超えるものと想定されます。

自民党内での総裁選であったため、根本から大きく政策そのものが変わる事は無いと思われますが、特徴的な施策としては分配政策にあると考えられます。金融所得課税の強化として、1億円超の高所得者層での実質的な税負担が下がる問題に対して公平性を期する策を取るものと想定されます。
とは言え、根本的な生産性の改善に基づく原資がない単純に高所得者への課税強化につながりかねないため、成長のための施策が必要である。リスキリング等人員の教育をすることによって生産性の高い産業への人材シフトを図る必要があるでしょう。日本の大学は世界の大学トップに100人東大と京大の2校しか入っていない※(26) こともあり人材の質と言う面においても先行き不安が否めません。今後の舵取りが大きな課題となるでしょう。
対中関係についても、経済的なつながりを重視しつつも必要な対応はとっていくと言うバランスをとった構えで従来と違った大きな変化は想定されません。

まずは、衆院選。そしてそれを経て本腰を入れた経済対策を見定めたいところです。


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