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推薦図書 石田梅岩『都鄙問答(とひもんどう)』(現代語訳:城島明彦/致知出版社)

経営のヒント
2021.11.12

石田梅岩『都鄙問答』(現代語訳:城島明彦、致知出版社)

 

今週の推薦図書は石田梅岩の『都鄙問答』(とひもんどう)です。
先ず書名からして難しそうに感じる方もおられるかもしれませんが、
本書は松下幸之助さんや稲盛和夫さんなど、名経営者と言われる商いの成功者に
多く読み継がれている古典です。本書は表紙にもあるように、現代語訳によって大変読みやすく、親しみやすい本になっています。

 

【こんな人におススメ】
・理念による経営でお悩みの方
・ビジネスに閉塞感を感じている方
・日本経済の先行きに不安を感じている方
・いわゆる日本的経営というものの本質や歴史を学びたい方
・経営のみならずマーケティングに必要な人間理解を深めたい方…など

 

【本書の概略】
石田梅岩は日本史の教科書で習った方もおられると思いますが、
「石門心学」の開祖として知られます。石門心学は人間修養の学問であり哲学ですが、
その影響は商いの道のみならず戦前の日本国民の道徳的土台にも影響を及ぼしました。
石田梅岩が活躍した時代は、ざっくり言えば江戸時代中期(18世紀)です。
本書は石田梅岩が門弟たちや士農工商の身分の枠を超えて多くの人々と交わした質疑応答をまとめたものです。梅岩が私塾を開講して約10年後の1739(元文4)年、梅岩55歳のときに刊行されました。

 

・石門心学 3つの特徴
①哲学の土台は儒教・仏教・道教のミックスでその後の”日本的な”道徳、価値観の土台に繋がった
②「道話」と呼ばれる分かりやすい身近なたとえ話で、幅広い層に受け入れられた
③商人、商い(今でいうビジネス)の地位を向上させた

本書の問答を通じて、現在の日本のビジネスのあり方、自社のあり方など見つめ直す良い機会になるのではないでしょうか。日本が近代化した土台にはこの石門心学のような人間としての教養があり、また戦後の高度経済成長のエネルギーの先頭には常に戦前の教育や道徳を学んだリーダーがいました。

 

日本人が情熱をもってビジネス界をけん引した時代、その先人たちの心の拠りどころ、精神の土台に何があったのか、本書を通じて学び直すことは、次世代に活力のある社会を引き継ぐうえで、大いに資することになると思います。また論語や仏教をはじめとする何千年も人間が正しいとしてきた思想哲学の復習にもなる内容です。是非ご一読をお奨めします。


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