M&Aを検討する際の基本的な注意点 | コンサルタントコラム | 中堅・中小企業向け経営コンサルティングの小宮コンサルタンツ
loginKC会員専用お問い合わせ

コンサルタントコラム

ホームchevron_rightコンサルタントコラムchevron_rightM&Aを検討する際の基本的な注意点

M&Aを検討する際の基本的な注意点

経営のヒント
2022.03.11

多くの経営者の方々も感じられているところだと思いますが、近年は中堅・中小企業含め日本でもM&Aが増加しています。中堅・中小企業に限定した話ではありませんが、2021年の国内M&A実績は4,280件と、過去最多を記録しています。

 

M&Aに関わる業務としては、買手企業、売手企業をお探しするソーシング業務、交渉支援を行うアドバイザリー業務、財務・ビジネス等の査定業務を行うデューデリジェンス業務等があります。これらの業務を支援する外部機関として、M&A専業会社、士業事務所、弊社のようなコンサルティング会社等があり、こちらも近年は増加しています。

 

日本のM&Aの中で注意しないといけないのは、交渉支援を行うアドバイザリー業務について、外部機関が買手企業・売企業先両方の支援を行うものです。欧米を始めとした海外ではこのような事はなく、買手企業・売手企業それぞれがアドバイザリーを立てます。買手企業・売手企業両方の支援というのは、両社にとってメリットとなるという美名のもとで、アドバイザリーにとって一番望ましい買収条件とするリスクがありますので注意が必要です。買手先・売手先それぞれのアドバイザリーを立てるべきです。

 

デューデリジェンス業務は、最低でも財務面とビジネス面の査定は行うべきです。必要に応じて、法務・労務、システム等のデューデリジェンスを実施します。

 

財務面では決算上では見えてこない売手先の実態PLBSを確認します。

収益性も一時的に良好・悪化している要因がありますので、こうした要因を除いた実態のPLを作成します。また、保有資産(売掛金・棚卸資産・土地建物等)BS計上と実態が乖離している場合がありますので、乖離分を補正した実態BSを検証します。このような実態PLBSを元に買収価格を検討します。

 

ビジネス面では、売手企業のビジネスモデルを理解した上で、外部環境・内部環境を踏まえた売手企業の事業継続性、成長性、及び買手・売手企業間の相乗(シナジー)効果を検討していきます。

この際に確認された売手企業の強みについては、その強みがM&A後も維持されるように買収条件に盛り込んでいくべきです。例えば売手企業の営業キーマン等がいる場合には、当該キーマンが買収後数年以内に会社を退職した場合に買収金額を回収できるようなキーマン条項等があります。

 

アドバイザリー業務、デューデリジェンス業務は、当該業務が対応できる外部機関を活用されることをお薦めします。コストは掛かりますが、M&Aに精通した外部機関を活用した方が種々のリスクが潜むM&Aの成功確率は高まると思います。

また、その外部機関とは買手企業・売手企業自身の戦略を共有した上でM&Aを進めることが必要です。M&Aは戦略を実現する為の一手段に過ぎません。戦略実現に向けてのM&Aという視点からアドバイザリー、デューデリジェンスを進められる外部機関を採用されることをお薦めします。


お問い合わせCONTACT US

コンサルティング、セミナー、KC会員についてなど、
お気軽にご相談ください。