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日銀の金融政策と金利の動向・ダウンサイドリスクに備える

経済トピック
2022.04.01

今回は、経営のアクションとして固定金利で長期資金を調達することで、経営におけるダウンサイドリスク(最悪のリスク)を抑えることができる、という話をしたいと思います。

 

昨今のインフレと、日本と海外における金融政策の差(日本は経済が弱いのでインフレ傾向にある状況においても金融緩和の手を緩めることができず、一方で米国を始めとして他の国は経済が下支えした上で金融緩和の縮小、金融引き締めに入っている)によって、二重の意味で物価上昇が進んでいます。物そのものの値段が海外のコストプッシュインフレによって変わっていることと、そもそも円安が進んでいるため海外からの輸入物価が上昇することになります。

 

輸入物価が上がることや全体的にインフレになることは、企業の物の調達価格を上げることや、我々一般消費者の生活を圧迫することになります。一部の輸出産業や全部海外に資産を持っている富裕層の方などを除くと、今の日本は全体的に円安が進むことがマイナスの影響に出る傾向があります。

 

ここまでは一般論の話ですが、企業経営を行っていく上で、今の状況を踏まえてどのような判断をするべきかということを考えておく必要があります。

 

既に顕在化していますが、企業の物の値段が上がることによって調達原価が高くなるという点に関しては、採算の悪化をお客様への許容しうる値上げでカバーしていくしかないでしょう。すでにお客様でも値上げに次ぐ値上げに追われている会社さんが多くいらっしゃいます。

 

また、企業経営において改めて検討が必要な部分は資金調達です。

どのような資金をどれくらいの期間どのような金利条件で借りるのかということです。

 

企業の財務戦略上においては、なるべく長期で資金を調達して手元資金を厚くしておくことで、手元流動性や流動比率を改善することができます。

もちろん過剰に資金を厚くしすぎることは企業の資産効率を落とすことになります。お金は安全を担保しますが、それだけで利益を生んでくれるわけではありません。必要な事業投資を行うことによってお客様への貢献をし、その結果の利益ということになるわけです。

とはいえ、今後の先行きが不透明な状況においては手元の資金をある程度厚くしておくことが必要です。

 

ではその資金調達をどのような条件で行う必要があるかについて考えてみたいと思います。

 

今の段階では金利はほぼ最低水準にまで落ちており、日銀の金融政策の動向からもある程度この水準の継続を望んでいるように見えます。一方で、海外ではインフレの加速により金融引き締めの方向が顕著です。

経済の状況の格差から日本が同じように今後金利の上昇を許容するとはなかなか思えませんが、企業経営において考えるべきはダウンサイドリスクです。

 

私はこのような状況において企業が資金調達する上では、特にその期間が長期に及ぶのであれば、今の金利水準で固定金利による長期資金を調達しておくことをおすすめします。

当然ながら固定金利の方が変動金利よりも金利の水準は高いのですが、もっとも避けなければならないのは、多額の資金を変動金利で借りることによって、今後の金利上昇の打撃をもろに受けることです。

 

日本の長期国債は日銀がその半分程度を保有しているため、金の上昇がすなわち日銀が保有する国債残高の評価減につながり日銀が債務超過を起こすことによる円のさらなる信任の低下リスクがあります。

だからこそ、日銀は金利の上昇はまかりならないと言うことでイールドカーブコントロールによって10年物国債の金利を0.25%の水準までで抑えています。

とはいえ、このコントロールはいつまで可能かと言うことに関しては明確なことは言えません。そしてその可能性を論じることも難しいことです。

 

本来金利は物価の上昇を補うようにインフレ率とともに上昇していきます。なぜならばインフレ率は物の価値の上昇であるとともに資金の価値の目減りを意味するからです。インフレによって資金の価値が目減りした分、金利でそれを補う動きを取ることが本来の姿です。

 

自然の道理に反したことを金融政策で行うことによってどのような歪みが起きるか、明確なことは言えませんが、企業経営として考えておかなければいけないのは、自然の道理に反したことが永続的に続くと言う前提で考えないことです。現に40年物の超長期国債の金利は上昇しています。これが本来の道理に基づく金利の動きだと考えます。

 

これらのシナリオがどの程度の確率で起きるか、実際どうなるのかということは経済の専門家金融の専門家に任せるとして、経営を推進していくという立場から考えると、可能性がある以上はその可能性に基づくダウンサイドリスクに備えることが大切です。


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