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リーダーの志と仕事の成果の間にあるもの

経営のヒント
2022.04.15

私たちはコンサルティングという仕事を通じて様々な経営のご支援をします。その一つに人財の育成があります。その中でも最近重要視して取り組ませて頂いているのが、経営者をはじめとするリーダー、或いはこの春に迎えた新入社員という社会の宝に至るまで、志を高めることのお手伝いです。コンサルティングを通じてその会社の経営者はじめ、働く仲間の志の高さ、使命感の強さは確実に経営の成果と相関があります。

 

志(こころざし)、この言葉の響きは聞く人によって多様な意味合いを持つようになっています。従って私たちも経営者の⇒リーダーの皆様もこの言葉の持つ深い意味合いを丁寧に説明する必要があります。本来の意味は野心との対比で、自分以外の人々や社会をより良くしていこうとする心の向く方向、簡略に言えばその人の人生の目的ということになります。転じて厚意とか親切という意味にも使われます。親切の「切」は切るという意味ではなく、切に願うという意となります。前者と同じで、「強い思い」を表す言葉と解釈できると思います。この志という強い思いを”高める”ことは、そのまま経営(マネジメント)や仕事の成果に直結します。ポイントは野心との対比です。野心とは、大きな望みという意味では志と似ていますが、自分さえよければそれでよいという自我も含みます。最近では”自分らしさ”(自己実現の欲求)を追求する向きもありますが、それは正しい考え方が土台にあってこそ社会の中で輝くものです。正しい考え方の中で重要な考え方はいくつかありますが、私の中では以下の3つを特に重要視し、日々念じて事あるごとに自問自答しています。

①自因自果(因縁因果)(謙虚・素直、正しい考え方を土台にして生きる)

②世のため人のためか(私心による仕事になっていないか)

③自利利他(他者に喜んでもらうことが自分の喜び)

 

先週1週間、とある北海道のお客さまの新入社員研修を実施してきました。新入社員の方々をお預かりしてもう7年目になりますが、7年前は離職率も非常に高く、人財の定着があまりうまくいかずに経営の成績も頭打ちの状態でした。現在は離職率も大幅に下がり、この間に売上、営業利益、そして社員数も倍以上に発展されています。新入社員研修の冒頭では新入社員の皆さんに前に出てもらい、自己紹介をして頂いています。その自己紹介の中で「なぜこの会社に入社を決めたのか(入社動機)」と「仕事を通じて社会にどのような貢献をしたいのか(貢献意欲)」について話してもらいます。7年前から数年は入社動機も「高校・大学の先生から紹介されたから」とか「実家から通えるから」といった何となく入社したかのような同期が多かったのですが、離職率が大きく下がり始めたここ数年は「会社の理念に共感したから」「自分を育んでくれたこの地域にこの仕事を通じて恩返しがしたい」「一番社会に貢献できる会社だと感じたから」、さらには「この会社で働いている先輩たちのように自分もなりたいと思ったから」など、素晴らしい思いを持って入社される方が格段に増えています。この変化には確かな理由があります。採用活動のご努力、質の向上もさることながら、マネジメント層にリーダーが育ち大きく自己変革をしたことです。理念に基づき高い使命感と志を持ったリーダーが社内に着実に増えたことがこの良い変化を生み出していると、長年携わらせて頂いた者として強く確信しています。

成果とはドラッカーの言葉を借りれば「世の中により良い変化をもたらすこと」です。是非皆さまの会社でも、働く仲間の皆さんの働く動機の変化、それをもたらすマネジメントのあり方の変化を通じて社会やお客さまに対する成果を高める努力とは何か、ご一考頂ければ幸いです。


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