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「あるべき姿」の前に「ありたい姿・ありたき姿」を。

知恵のバトン
2022.04.26

経営陣との会話で「将来の会社像」にお話が及ぶことがありますが、経営コンサルタントが「御社の“あるべき姿”は何ですか?」と訊ねる場面に遭遇することがあります。経験上、この質問文は回答に詰まりやすく効果的かどうか気になりますが、そもそも、「べき」の表現に違和感を感じるときがあります。

 

なぜ、「べき」に違和感なのか。
「べき」とは、別の何かがあって、引き続く事柄がそうなる・そうすることが必然的帰結であるときに使うものです。そう考えると、会社を先導し、最後の砦たる社長のさらに外側に、社長すらも従うべき何かがあるのだろうか、と。
もう1つ。社員も含め、「会社の将来」に対する取組姿勢が、「べき」だと遠い何物かによって規定される印象となり、どこか他人事になる懸念も感じます。

 

さて、「将来の会社像」を語る場面において、「べき」が適切なのでしょうか。
基本的には否だと思います。会社の存在意義なども含めて議論するので、社会、お客さま、取引先などのことも考えはしますが、ほかならぬ自分達の将来のこと。自分達の外側に規定され過ぎた議論は避けるべきだと思います。
もちろん、世の中があって自らがあるので、お客さま第一や利他の心を軽視するわけではありません。むしろ様々考慮したうえで、「で、将来自分達はどうなるのか・どうするのか」の議論において何か他人事にも聞こえる「べき」は避けたいと申し上げたいわけです。

 

あえて使うなら、「あり“たい”姿。取る“べき”方法」ではないでしょうか。
将来像の実現方法は、何らかの方針・基準で導くのですから、その時に「べき」を使うのだと思います。例えば、「こういう会社を目指したい。それには…」
・先代の創業当時の思い・志に照らして、○○をすべき
・今は売上成長よりも利益成長を重視するのだから、△△をすべき
・事業転換を加速するために、□□をすべき
といった具合です。

 

最後に。「ありたい姿」を深める際、次のようにアングルつけて問いかけることもあります。「ん?」と言葉に窮したらしめたもの。それをきっかけに考えて頂き、「姿」をより明確にしてくださればと思います。
・「社長の“野望”は何ですか?」
・「貴社が無くなったときに、誰が悲しむ・困るでしょうか?」
・「すべての経営資源が手に入るとしたら、誰にどんな感動を呼びたいですか?」
・「すべての経営課題が解消したら、貴社は何が実現できているでしょうか?」


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