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中堅中小企業における両利きの経営の実践

経営のヒント
2022.04.29

皆さんは両利きの経営という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

東洋経済から「両利きの経営」という書籍が出版されていますが、御覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

両利きの経営とは、既存の事業の成長(深化)と、新しいイノベーションの芽の創出(探索)を、あたかも両利きのように行っていく経営のスタイルのことをいいます。

 

私自身、コンサルタントとしてお客様に関わってきていますが、5年先、10年先、20年先、それ以上の将来ビジョンを視野に入れると、ほぼ全てのお客様が両利きの経営の実践を求められていると実感します。

先に述べた書籍においては主に大企業における両利きの経営が事例とともに記載されていますが、そのエッセンスは中堅中小企業においても十分に活用できるものと考えています。

 

既存の商品サービスをお客様に提供し続けるだけでは、5年先10年先、それ以上の期間で健全に選ばれ続けることは難しいケースがほとんどです。

なぜならば、お客様の求める価値基準や、お客様が存在する社会の構造が変化してきているからです。

例えば、新型コロナウィルスの影響によって、弊社もお客様からの選ばれ方がだいぶ変わってきていることを実感しています。毎回リアルで参加していただいた経営実践セミナーの、リアルの良さを残しつつ新たな価値提供の必要性に迫られています。

 

お客様の価値基準や、社会環境が具体的にどのように変化していくかということを100%正確に読むことはできません。

一方で、水が低きに流れるように、世の中の変化には一定の方向性と言うものがあります。それは、経営において無視できないものであり、その方向性を定めるためにも日々の新聞によるインプットは欠かせないのだと思います。

また、お客様がどのような価値基準で商品サービスを選んでいるかということを洞察するためにも、自らも含めて社員さん達のマーケティング感覚を磨いていく取り組みも欠かせないでしょう。

 

このような基礎的な習慣と人材育成とともに、経営としてこれから考えていく必要があることは、既存の事業を深めていくとともに、新しい探索を継続的に取り入れてトライ&エラーをしていく組織文化を作ることだと考えています。

それこそが、両利きの経営の実践ということになってくるのでしょう。

 

コンサルティングの実践からも、1人の人材に既存の事業の進化と、新しいニーズの探索を同時に求めることは難しいと言わざるを得ません。

既存の事業に関わる方は、既存の事業に集中した方が少なくとも数年先までの経営における売り上げや利益に貢献する構造にあるからです。

だからこそ、短期的に業績の最短距離を目指すのではなく、あえて将来選ばれるための探索活動をするための体制を作り、トライ&エラーを進めていくリーダーシップが求められるのです。

 

口で言うのは簡単ですが、これを実践し続けるのは容易なことではありません。周りから見れば、無駄なことをしているようにしか見えないからです。

なぜ無駄なようなことをしているようにしか見えないかというと、そこにはミッションやビジョンの共有とその腹落ち感が不足しているということも影響しています。

 

社員の皆さんが、既存の事業の延長線上で社会に貢献していくという将来像を描いているのであれば、既存事業以外の探索活動は無駄なことのようにしか見えないでしょう。

しかし、大切にする価値観を軸にして、具体的な将来像を既存の事業を超えて提示をする、そしてその理解に努めることで社員の皆さんに具体的なビジョンの将来像のイメージが認識されていれば、探索活動のための組織も次第に認められてくることになります。

 

何よりも、探索活動の組織は、既存の事業からの協力が大きな推進力にもなるのです。

既存の事業で利益を、キャッシュを生み出しているということは、その会社の強みは既存の事業の中に存在しています。

 

探索活動においても、既存の組織の強みを生かしてこそ成功率が上がると言えるでしょう。この、既存の事業からの協力を得るためには、やはり強制ではなく将来ビジョンに対しての共感と進化と探索を超えた相互の協力関係を生み出す空気作りが必要になるのです。

 

また、既存の事業の進化と比べると、探索活動は失敗する可能性が高いです。そして、失敗を踏まえて改めて探索活動を継続するためにも、健全な財務基盤が必要です。

要は、いくらまでなら失敗できるのか。財務的な余裕が短期的に、中長期的にどれぐらいあるのか、と言うことを常に認識しながら探索をする必要があるからです。

 

このように、両利きの経営(攻めと守りのバランスのとれた経営と言うこともできるでしょう)を実践していくために、財務規律と言う手元流動性比率、流動比率、自己資本比率の3つのバランスを現状と将来の見込みにおいて一定水準以上に維持して経営を推進していくことが必要なわけですが、この財務規律の部分については別の記事で改めて記載したいと思います。


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