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安倍元首相銃撃に思う

小宮一慶のモノの見方・考え方
2022.07.12

安倍晋三元首相が凶弾に斃れました。心よりお悔やみ申し上げます。

安倍元首相の銃撃事件に衝撃を受けた方は多いでしょう。私もそのひとりです。鹿児島で講演があり、その講演会を紹介してくださった親しいお客さまと、講演会場のホテルの桜島が目の前に広がる喫茶でお茶を飲んでいたときに、衝撃の一報が入りました。ちょうど講演が始まる1時間少し前でしたが、講演を聞かれる百数十名の方たちに動揺がなければと思いながら、1時間半の講演を終えました。

 

政治家が暴力によってその言論や行動が封じられるということは言うまでもなく民主主義の根幹をとてもおびやかすことです。主義主張の違いがあるのは当然ですが、それを暴力、ましてや銃撃により封殺しようというようなことは絶対にあってはいけないことです。

 

私は物書きです。これまで単著で156冊の本を出版し、今でも月に11本の連載を持っています。多い時には月17本の連載を抱えていました。講演も当社のセミナーだけでなく、全国各地で行わせていただいています。テレビにも出ています。

 

もちろん、アウトプットを多く出していると、批判を受けることもあります。中には言われなき批判を受けることもあります。ネットの時代なので仕方がないと思いますし、そんなときにはいつも「死んだ犬を蹴るやつはいない」ということわざを思い出し、「生きて活動しているから批判を受けるんだ」と自分を納得させています。

 

しかし、暴力で言論を封じることは絶対に許されません。言いたいこと、書きたいことの範囲が狭められます。場合によっては活動が不可能となります。

 

今回の安倍元首相襲撃事件は単独犯の犯行ですし、そう思いたいです。組織が関与していないことを願っています。なぜかというと、世界中で、組織や国家による、政治思想や言論の弾圧が起こっているからです。

 

近隣諸国に目を移しても、中国、北朝鮮などは徹底的な弾圧を行っています。中国では、新疆ウイグル、チベット、内モンゴルの各自治区では過酷な弾圧が行われていると報じられています。香港でも言論弾圧や反体制派の逮捕が行われたことは皆さんもご存じのとおりです。北朝鮮などは論外の弾圧を国民に対して行っていますし、多くの反対派は処刑されました。

 

もっと大きな視点で見ると、ロシアのウクライナ侵攻も力による現状の大きな変更です。

国や大きな組織による、暴力的な社会や個人への弾圧が行われているのです。日本でも戦前には、軍部が時の政権運営者を暗殺した5・15事件や2・26事件が有名です。軍部の台頭が鮮明となり、言論や国民の行動が制限され、結果的に310万人の国民の命を奪った太平洋戦争へと突入するわけです。

 

このたびはとてもショッキングで悲しい事件が起こりましたが、それでも現状のこの国は自由でとても良い国なのです。暴力や凶弾がまかり通る世の中にならないことを心より祈るばかりですし、そのためには私たちの不断の努力が必要なのです。


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