東京では寒い日が続きましたが、春の気配も感じる頃となりました。もうすぐ春です。
春は、卒業の季節で、新たな旅立ちの季節でもあります。皆さんの周りでも、卒業・進学という方々もおられることと思います。卒業は、学校の卒業だけでなく、職場や家族からの卒業、旅立ちもあります。２０名足らずの当社でも、２０代の若手社員の卒業があります。彼女は当社に勤めて５年になります。資格も取得し、今では当社の実践セミナーなど大きなセミナーをすべて仕切ってくれている貴重な存在ですが、思い立つところがあり、３月末で当社を卒業することになりました。自身の将来のために、専門学校に通うことにしたのです。お父さんのお仕事にも関係することで、当社としてはとても残念ですが、ご本人とご家族のためにも、応援することが大切だと考えています。当社にいた５年間で「成長した」と言ってくれたことで、寂しいながらもうれしい気持ちにもなりました。

職場からの卒業だけでなく、長い間、お付き合いいただいた方たちとのお別れもありますが、どういう時にも感謝の気持ちを持つことが大切だと考えています。もう少し、こうしておけば良かったと思うことも多いものですが、この先の発展をお祈りする限りです。もちろん、お別れだけではありません。新たな出会いがあるのも春です。お客さまの企業などに転職や転勤などにより、新たにお会いできる人も増えます。当社も人を迎える予定です。その出会いを、相手や自分の人生のプラスになるようにしたいものだと考えることも大切でしょう。

卒業というと、私くらいの年齢になると、自分のキャリアからの卒業も視野に入れて考えざるをえません。銀行員として始まった私のキャリアも、４月で４４年目に入ります。銀行員の後、小さなコンサル会社、在宅福祉の会社などを経験しました。小さなコンサル会社にいたときは、カンボジアのＰＫＯに選挙監視に行ったこともありました。振り返るとあっという間だと感じますが、卒業まではできる限りのことをしたいと考えています。
そして、あまり考えたくないことですが、人生からの卒業も考えなければなりません。年齢的なこともありますが、今年に入ってからも、銀行時代の同期や先輩の訃報に接しました。とくに、１年上の先輩とは、私が銀行を辞める時にもお世話になりましたし、その後もお仕事の関係で結構お付き合いがあり、昨年も何度か会っていたので、亡くなったと聞いてとても驚きました。また、親しくしていただいた経営者など、お仕事でも付き合いのある方も亡くなられます。寂しい限りです。
人生の卒業は、いつ起こるか分かりません。しかし、必ずどこかで訪れます。そのときに「良い人生だった」と自分でも納得し、周囲からも思ってもらえるように、その卒業が来るまでは毎日をしっかりと生きたい思っています。

【小宮 一慶】