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日本経済とコロナ3度目の夏の心斎橋

小宮一慶のモノの見方・考え方
2022.08.23

4-6月のGDPが発表され、前四半期比の年率換算の実質で2.2%の伸びでした。
3四半期連続の増加です。

とくに4-6月はコロナの感染者が少なかったということが大きいと考えます。
しかし、少し心配なことがあります。

皆さんもご承知のように、7月以降、とくに8月はオミクロン株が急速にまん延しました。

 

「街角景気」という、タクシーの運転手さんやホテルのフロントマン、小売店の店頭に立っている方など、

経済の最前線にいて景気に敏感な方たちに対する調査を内閣府が毎月行っているのですが、
4月から6月にかけては、景気が良くなっていると感じていた人たちが多かったのが、

7月の調査では、それが大幅に落ちています。

 

もうそろそろ、政府もコロナに対する認識を変えるべき時ではないでしょうか。
ウイズ・コロナと言いながらも、3年目ともなればなかなか生活パターンを戻すのも

難しくなりつつあるかもしれませんが、これでは、いつまで経っても同じことの繰り返しで、

一部の飲食業などは、また大きな打撃を受けつつあります。

 

毎年、8月の上旬に大阪の心斎橋にあるお客さまで経営研修を行います。
部長さんくらいの約20名ほどの方たちの研修を、金曜日の午後から翌日の夕方まで行っています。
もう、15年以上は研修をさせてもらっていると思います。

 

暑い時期ですが、2日目の昼ご飯のお弁当を食べた後は、

毎年、心斎橋を20分ほど歩くようにしています。
運動をしたいということとともに、定点観察をしたいからです。
毎年、8月初めの土曜日のほぼ同じ時間に歩いています。

 

2020年にコロナが始まってから、もう3年目になります。
コロナの最初の年に、心斎橋のアーケードを歩いたときには、

マスクを売っているのがとても目につきました。
ドラッグストア以外でもそこかしこで売っているというような状況でした。

 

その年の春先にはマスクがとても足りなくなったことは皆さんも覚えておられると思います。
夏には、心斎橋では、マスクの数は結構出回るようになっていました。
安いものだとコロナ前くらいの価格で売られるようになっていました。
おそらく、中国から大量に仕入れた商品が、やや供給過剰になり始めていた頃ではないかと思います。
マスクは、今年も結構多くのお店の店頭に並んでいました。しかし、値段は格段に落ちています。
品質は分かりませんが、「3箱1000円」というものまで店頭には並んでいました。

 

そして、コロナ前には、際立って多かった外国人観光客、とくに中国人は、

まったく姿を消しました。それは、3年目となった今年も同じです。
逆に、私が歩いた日はとても暑い日だったのですが、2020年や昨年と比べて、

人通りは格段に多かったと感じました。
もちろん、酷暑の中でもほとんどすべての方がマスクをしていました。
今年は、オミクロン株が大流行したものの、緊急事態宣言などもなく、

コロナにも慣れ、ウイズ・コロナの生活の仕方が定着しているということでしょうか。

 

しかし、経済は心配です。当面、中国の「ゼロコロナ政策」もあり、

そして日本政府の入国者に対する厳しい水際対策もあり、

インバウンドの観光客も期待薄ですし、私たちも海外に行きづらい状況です。
重症化しにくいのであれば、中途半端な状況でウイズ・コロナをやるのではなく、

季節性インフルエンザと同じような対応策に早く変えたほうがいいのではないでしょうか。
こんなことを繰り返していては、経済はもちません。
真夏の心斎橋を歩きながらそういうふうに思いました。


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