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広島のマザーテレサさん、被爆樹木の樹木医さん

小宮一慶のモノの見方・考え方
2022.10.25

先日、広島県の福山での講演も兼ねて、親しい知人たちとご一緒に、「広島のマザーテレサ」と呼ばれる中本忠子さんを訪ねました。彼女は88歳で、親しみを込めて「ばっちゃん」と呼ばれています。とても気さくな方で、お話を聞いているこちらまで心が温かくなる気がしました。「食べて語ろう会」という、特定非営利法人を運営されています。

 

彼女は、広島近郊に住んでおられた11歳のとき、原爆投下2日後におじさんを探しに広島の中心地に入り、そこで浴びた放射線のために、その後、長い間体調が悪かったそうです。

 

中本さんの活動は、非行少年や少年院などを出て頼る人がいない子供たちに食事と居場所を提供することです。安心して話をし、ご飯を食べる居場所がそのような子供たちにはほとんどなく、そのことが原因で再び非行に走る人も少なくない中、食事と居場所を与える活動を長い間されています。中には、結構な年齢になっても中本さんを慕い、頼り、来る人も少なくないようです。

 

今では、非行歴のある人たちだけでなく、生活に困る人たちにも食事を与える活動を続けておられます。子供だけでなく、親などの大人にも食事を差し上げています。家庭の貧困が子供たちを非行に走らせることも少なくないからです。ボランティアの方たちも何人も食事作りなどの手助けをされていました。

 

ボランティアの方たちが作ってくれた心のこもったお昼ご飯をいただきながら、中本さんからはいろんなお話をうかがいました。表面的には豊かな日本ですが、やはり、私たちが知らないところで、生活に困っている方や生きていくのに苦しんでいる人たちが多くおられることを実感しました。そして、今回訪れた「食べて語ろう会」などの非営利法人やボランティア活動が、多くの人の人生を支えていることも分かりました。彼らがなければ、再び非行に走ったり、食べていけない人たちもいるのです。

 

当社ももう25年以上にわたって、長野県篠ノ井にある円福寺が主催する恵まれない子どもたちを助けるチャリティ活動を支援していますが、今更ながら、このような活動の大切さを再認識しました。

 

「食べて語ろう会」を訪問した後、樹木医の堀口力さんのご案内で「被爆樹木」の見学をしました。堀口さんは70台後半ですが、被爆樹木を守り、そのことをお話する活動を長く続けておられます。

 

広島市内には、被爆樹木が167本あるとのことですが、私たちは、爆心地から1キロも離れていない広島城周辺の被爆樹木を見学させていただきました。クスノキやユーカリなど、木はさまざまなのですが、原爆を近くで受けた被爆樹木は、その生命力の強さに驚くとともに、やはり、生育には大きな影響を受けていました。被爆した側は、そうでないところと生育状況が違ったり、木全体が被爆しなかった木とは全く違った生育をしているものもありました。

 

来年の広島サミットでは、被爆樹木から生育した桜の苗木を植えるというお話も聞きました。堀口さんたちが被爆樹木を守り、語り継ぐことの大切さも実感しました。ただその存在を見ているだけでは分からないことが多くあるからです。

 

平和記念公園も訪れました。そこには、修学旅行生や外国人観光客も多く訪れていました。有名な記念碑には「安らかに眠ってください 過ちは 繰返しませんから」とあります。二度と過ちを繰返してはならないことは言うまでもありません。


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