DX後進国の日本は若い世代へDX化の権限を委譲すべき | コンサルタントコラム | 中堅・中小企業向け経営コンサルティングの小宮コンサルタンツ
loginKC会員専用お問い合わせ

コンサルタントコラム

ホームchevron_rightコンサルタントコラムchevron_rightDX後進国の日本は若い世代へDX化の権限を委譲すべき

DX後進国の日本は若い世代へDX化の権限を委譲すべき

経済トピック
2022.12.03

生産性向上や人手不足の解消のためにはDX化が欠かせません。最近では新聞でDXというキーワードが毎日にように出てきており、社会の関心の高さが伺えます。しかし、一方で世界における日本のデジタル競争力は年々低下しています。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した世界デジタル競争力ランキング2022で日本は63ヵ国中29位と世界的な評価は過去最低の水準となりました。2018年の22位から毎年順位を落とし続けています。2位のアメリカはおろか、同じ東アジアの8位の韓国、11位の台湾、17位の中国にも大きく水をあけられており、もはや日本はデジタル後進国と言っても過言ではないでしょう。

 

民間企業のDX化もさることながら、特にDX化が遅れていると言われているのが行政です。先日の日経新聞の記事では、総務省が自治体に対するDX人材の人数を把握するアンケートに対して、北海道の西興部村ではパソコンを利用しているという理由で全職員をDX人材と回答しているなど圧倒的な認識のズレを感じる内容が掲載されていました。

 

どうすれば日本のDX化を進めることができるのか?現場職員や従業員のDX教育も重要ですが、経営の現場を見ていて重要だと感じるのは若い世代へのDX化の権限移譲です。

 

先日、ある自治体でマクロ経済の研修をした際、4630万円誤送金問題で物議をかもしたフロッピーディスクが話題になりました。その自治体でもフロッピーディスクは現役で利用されているそうです。どうして今さらフロッピーディスクを使うのかと質問したところ、別な記憶媒体への変更を提案したところ決裁権者の上長から「これまで問題無かったのだから別に変える必要はない」と言われたとのことでした。

デジタルの知識が乏しい決裁権者は、よく分からないという理由で必要以上にDX化に抵抗を持ちます。決裁権者がDX化に抵抗を持つと、現場の職員がいくら必要性を感じていても進みません。これが行政においてフロッピーディスクが現役で利用され、更にはDXが進まない根本的な原因だと思います。

 

台湾のデジタル担当大臣をしていたオードリー・タンは、台湾史上最年少である35歳で閣僚に就任していますし、ウクライナのミハイル・フェドロフ副首相兼デジタル化担当大臣は現在31歳という若さです。

私が顧問をしているお客さま企業でも、10年前は社内の情報共有の手段として感熱紙のFAXを使用していました。しかし社長が交代して数年後にはツールやシステム、仕組みまで一気にDX化が進みました。それまでは営業はPCすら支給されていませんでしたが、現在ではPCのみならずスマホとタブレットを活用して営業活動を行っています。

 

このようにDX化が進展しない理由の多くは決裁権者がDXの知識・スキルが乏しく、理解できていないことが大きいと思われます。

行政でも民間でも生産性向上や人手不足の解消のためにDX化を加速させることは必須です。そのためにもDX化の権限をデジタルネイティブの若い世代へ委譲することが重要です。

 


お問い合わせCONTACT US

コンサルティング、セミナー、KC会員についてなど、
お気軽にご相談ください。