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「日本が躍進するには・・・ベトナムを見て」

小宮一慶のモノの見方・考え方
2023.01.10

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年末、長年の顧問先さんとホーチミンを2泊4日で訪問しました。その顧問先さんがベトナムでのビジネスを強化されるためです。ホーチミンまで行くので、やはり長年のお客さまで、現地でガスビジネスを大きく展開しておられる現地法人も尋ねました。
ホーチミン郊外のプロパン充填所も見学させてもらいました。16メートルあるガスタンクにも上り、その上からは、発展するホーチミンの様子がジャングルとともに見ることができ、とても興味深かったです。

また、その間に、現地で活躍される日本人にも何人かお会いしました。皆さん、大手企業の代表者ですが、ベトナムに来て10年以上の方たちばかりで、現地の代表者というよりは、企業家で、こちらでさまざまなビジネスを展開されていました。
中には、企業を離れ、ご自身でビジネスをされている方もいました。ベトナム人の実業家にもお会いでき、充実した2日間を過ごせました。

ベトナムを始めて訪問したのは、1993年でした。岡本アソシエイツという会社にいたときに、ある銀行さんの視察旅行に代表の岡本行夫さんとともに同行したことがありました。
その頃は、市場経済化を目指すドイモイ政策が始まったばかりの頃で、活気はあったものの、インフラなども全く整っていませんでした。
車やバイクも十分になく、おびただしい数の自転車が行き来していました。通信も発達しておらず、用事があれば舗装も十分にされていない悪路を自転車で往復するといった状況でしたから、ビジネスの生産性もとても低かったと思います。
ホテルも十分になく、ホーチミンではオーストラリアから船に乗せて持ってきたという川に浮かぶ「フローティングホテル」というホテルに泊まった記憶があります。

今回の訪問で私はホーチミンは4回目でした。前回の訪問から10年近くが経っており、高層ビルが多く建っていました。相変わらず、ラッシュ時にはバイクの洪水でしたが、道路の整備も進み、自動車もかなり増えていました。それだけ生産性上がっているということですね。
さらには、ホーチミン市内では日本のODAによる地下鉄工事が進んでおり、近いうちに完成予定と聞きました。これでさらに生産性が上がると思われます。バイクで通勤している人が地下鉄でも通勤できますからね。
2023年は途上国には厳しい年になりそうで、金利も10%近くということですが、逆に言えば、リターンが低いビジネスは見向きもされないということになるでしょう。

ベトナムの発展を見ながら、日本の低成長に思いを馳せました。皆さんもご存じのように、ここ30年ほどほとんど成長していません。人口減やリーダーシップ教育などの理由もあるでしょうが、いずれにしても企業の淘汰が進んでいないのです。欧米では10%程
度ある開業率・廃業率が、日本では5%程度しかありません。企業の新陳代謝が進んでいないのです。規制や過度な保護で企業が守られているからです。ゾンビ企業は収益力が低い上に、社員教育も十分でないので、従業員のレベルも上がらず、それではより良い職への転職もままなりません。社会が活性化しないのです。
今年は、日本でも金利上昇がみられるかもしれませんが、正常な金利に早く戻ることも、ゾンビ企業を衰退させ、まじめに働く人や稼ぐ企業を伸ばす好機になると思います。


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