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自分で思っている時間の使い方と実際の使い方は異なる

知恵のバトン
2023.03.14

経営学者のドラッカー氏の著書に「経営者の条件」があります。同書の第2章は「汝の時間を知れ」です。その中で次のように書かれています。(一部抜粋)

 「成果を上げる者は時間からスタートする。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする」「思っていた時間の使い方と実際の記録は似ていたためしがない」

 ある日の午後について、私自身の時間の使い方を振り返ってみました。すると、当日の予定と取り組んだ結果の実態とが異なっていたものがあることに、改めて気づきました。

 <予定>

30分の予定の訪問

1時間の予定のミーティングA

1時間の予定のミーティングB

1時間の予定のミーティングC

 <実態>

・訪問は1時間(30分プラス)

・ミーティングA1時間半(30分プラス)

・ミーティングB30分(30分マイナス)

・ミーティングC1時間半(30分プラス)。加えて、(内輪のミーティングだったこともあり)開始時刻が遅延

 訪問やミーティングでプラスになった時間は、それぞれ必要な時間延長であって、時間を浪費していたわけではありません。しかしながら一方で、この日「取り組めればいいな」と思っていた提案書類のまとめについて、結局着手できませんでした。

 同書類の締め切りが、翌週後半でよいと納期が変更になり、安心したことでこの日は作業しないと割り切ったことが要因のひとつです。

 もうひとつの要因は、ミーティングCの後に同書類作成の予定を入れていたことです。その日最後に行ったミーティングCの終了後は頭が疲れていて思考が働かなかったというわけです。

 

ドラッカー氏の言葉です。「成果を上げるには大きな固まりの時間が必要である。いかに総量が大きくとも細分化していたのでは役に立たない。」

 

同日の朝に取り組んだことのうち、新幹線や宿の予約、経費精算書類の作成などがありました。こうした機械的な作業で、成果を上げることとはまた別の作業については、ミーティングC終了後に細分化してもできそうです。

 一方で、提案書作成など、思考力の発揮を求められ成果に直結することこそ、朝にまとまった時間を投入すべきだったかもしれないということが見えてきます。

 

人は1日に何万回もの意思決定をすると言われています。今日の朝ごはんは何を食べようか、傘を持っていくかいかないか、などの小さなことから、大きな判断を要するものまで様々です。意志決定をするたびに、脳は少しずつ疲労していきます。提案を考えるなどの思考を要する活動は、多くの思考を経て1日の最後に行うには不向きである(少なくとも私にとっては)のだろうと思います。

 先送りした提案書類は、いずれ翌週の新たな予定として入り込んできます。こうしたことが重なってきて、常套句である「忙しい」ということになってしまうのだと思います。

 いち従業員より係長、課長、部長、役員、経営者へと、組織を束ねるマネジメントの立場が大きくなるほど、自分以外の多くの関係者・大きな単位の組織の都合や要因によって、自分の時間の使い方が影響を受けます。時間管理の大切さは経営者に限ったものではありませんが、「経営者の条件」の書籍でクローズアップされているのは、トップマネジメントが他者に増して時間管理が難しく、かつ多くの人がその重要性を認識していないという問題提起なのだと思います。

 

まずは自分の時間の使い方を知る。今後も取り組みたいと思います。


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