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「X票(バツひょう)」の活用を

小宮一慶のモノの見方・考え方
2023.04.25

統一地方選挙後半戦と衆参補欠選挙が行われました。衆参補欠選挙では、自民党が4議席、維新が1議席という結果で、苦戦はしたものの自民党としては一応の信認を得たというところでしょう。5月の広島サミット後に、衆議院を解散するという憶測が一気に高まりました。

また、これは毎回の衆院選で言われることですが、小選挙区制がすでに限界にきている感は否めません。以前の中選挙区制が「金がかかり過ぎる」ということで始まった小選挙区制ですが、二大政党が前提となっており、弱小野党が林立する現状では、中選挙区制のほうが民意が反映しやすいことは誰の目にも明らかでしょう。ただ、一人勝ちしやすい与党自民党の立場としては、中選挙区制に戻るインセンティブはそれほどないとも言えます。

一方、統一地方選挙に関しては、衆参補欠選挙の陰に隠れてということもありますが、いつものようにというか、盛り上がりを欠くものでした。

私は、東京の世田谷区に住んでいますが、選挙が近い時だけ、駅の前で愛想よくチラシを渡しながら、調子の良いことを言っている候補者に関心を持ちましょうというほうが難しいと思います。区長選にしても、対立軸もはっきりせず、何を言いたいのかが分からないという状況では盛り上がらないのも当然です。ですから投票率も上がらないという状況です。まだ、世田谷区の場合、定員以上の立候補者がいるだけましで、無投票の自治体も今回も多くありました。

こういう状況で、「選挙に行こう」と呼びかけても、なかなか投票に行かない人も多いのではないでしょうか。選ぶ人がいないなら、せめて選挙にだけは行って「白票」でも投じるべきだという意見もありますが、それで何が変わるのかという疑問もあります。

私は、異論はたくさんあるのは承知していますが、この際は「X票(バツひょう)」を導入するべきではないかと考えます。「X票」とは、当選してほしくない候補者の名前を書き、その上に大きく「X(バツ)」をつけるのです。そうすることにより、その候補者の得票を1票減らすのです。もちろん、選びたい候補者がいる場合には、今まで通り名前を書けばいいのです。「X票」はマイナス1票として扱うのです。

先ほども述べたように、「白票」を投じても、参加率は増えるかもしれませんが、大した意見の表明にはなりません。「X票」では、自身が好ましくないと思った候補者の得票を1票減らすことができます。その点で参加意識は大きく変わると思いますし、問題があると思われる議員の当選を阻止できるかもしれません。

もちろん、ネットでフェイクニュースが大量に流れる時代では、この制度には問題があることは私も認識していますが、選挙への関心や参加意識を高めることと、このところ多い、問題のある人物が議員となることへの歯止めになると思います。

小選挙区制はじめ、問題山積の選挙制度ですが、民主主義の根幹をなすのが選挙です。選挙制度自体にももう少し国民の注目が集まっても良いのではないでしょうか。


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