今回は、社員さんの立場としての人生の選択を考えてみます。
採用や人材育成における社員さんの立場にたった動機付けの参考になればと思います。
人生100年時代≒人が長く働く人生≒マルチステージの人生
人が長く働くことで、老後の資金問題を解消しようという流れが
・定年の延長の流れ
・年金受給開始年齢の引き上げやそれに伴う優遇
・リスキリングと雇用の流動化
・健康経営の関心の高まり
などによって、出てきています。
この流れはおそらく変えようがなく、金融資産など財産があまりない人や老後も何かと資金がかかる人などは、働ける期間を長くすることが必須になってくることでしょう。
皆さんも実感しているでしょうし、書籍「ライフシフト」にも出てくるのですが長いこと働く必要のある時代に我々が直面するのは「マルチステージの人生」です。
マルチステージの人生とは、働く期間においていくつかの職業を変えること、自分に向いている仕事を年齢やライフステージに応じて模索する探索の期間を経る、など、言うなれば「経営をするように生きる」ことを求める人生と言えるでしょう。
別に働く期間が長くなるからといって、職業を変えないし会社も変えない、という方もいるでしょう。ただ、皆さんもご自身や周りの方などを見ていて実感されると思いますが、徐々に仕事人生においてステージを変えていくことは当たり前になってきています。
「人生のステージを変えるか、または今のステージに留まるか」そして、「自分自身の何の強みによって仕事をするか」という判断は、経営の判断と良く似ています。
ドラッカーの経営におけるマネジメントの役割としての3つ
①特有の使命を果たす ⇒ その企業の独自の商品・サービスで顧客・社会に貢献する
②働く人を活かす ⇒ 人の強みを活かして、上記①の特有の使命を果たす
③社会課題の解決 ⇒ 上記①②の取り組みの中で生まれる、または既にある社会課題の解決に貢献する
を個人に当てはめると、自身の強みを活かしてなるべく自分が得意な分野(≒好きな分野)で貢献する、これが①②につながり、それがなるべく社会貢献につながるのであれば③にも貢献できることになります。
個人の人生における顧客とは、普通のビジネスパーソンであれば働いている会社であったり、その会社の顧客であったり、また、そのような自分を活躍させてくれている会社の仲間(上司部下も含めて)であったりします。
まず、今、自分自身を商品サービスととらえてみて、自分の何の強みで今の仕事で自分は選ばれているのか(貢献できているのか)を考えることから、経営するように生きるスタンスがスタートすると言ってもいいでしょう。
このような経営するように生きるスタンスに、時間軸を入れてみるとどうでしょうか。
今の私の顧客は、いつまで私を選んでくれるか、貢献させてもらえるか。
または、自分自身、いつまで今の顧客に貢献することができるか。
顧客が、今の私の強みを選んでくれ続けるのだろうか。または、選ばれ続けるためには、強みをどのように磨いていけばよいのか。
このように経営的に考えることで、「リスキリング」に対する考え方が能動的になっていきます。
これからの時代に、マルチステージに活躍できる人材はこのように
自身の人生を捉えて能動的に自身の強みを活かして貢献の環境と学びの内容を選んでいくことでしょう。
そういった能動的な方を活かし、積極的に貢献したいと思えるような組織を作ることが
これからの人材難・採用難の時代における経営の優劣の分かれ目になるように思います。