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知性とは、答えのない問いに対して、その問いを問い続ける能力。

今週の「言葉」
2023.05.12

田坂広志先生の言葉です。

「知性を磨く― 『スーパージェネラリスト』の時代」(光文社新書)という書籍からの一言です。

 

答えのない問いとは何でしょうか。

例えば、生命は、人類はなぜ生まれてきたのか。

我々はどこに向かっていくのか。

この会社は何のために存在しているのか。この会社はどこに向かっていくのか。

私はどのように生きていけば良いのか。)

 

といったようなことです。

壮大なこともあれば、企業経営や人生に肉薄するものもあるでしょう。

 

これに対して、「知能とは答えのある問いに対して、早く正しい答えを見いだす能力。」

とあります。

 

知性と知能。

 

この言葉は、これからのAI時代に人が何によって価値を示せるかを示している言葉だと思います。

 

知能と言う答えのある問いに対して、早く正しい答えを見いだす能力は、時間の経過とともに、AIに凌駕されていくことになります。

 

われわれは、知性を強化していく必要があります。AIに対しての人間としての強みは、答えのない問いを問い続け、そこに向き合い続ける営みをする主体としての価値なのではないでしょうか。

 

そしていろんな問いを考えてみると、かなり多くの部分が答えのない問いであることがわかります。

 

もちろん、答えのない問いの中でも、分解してみると、答えが出せるものと出せないものがあります。

 

例えば、なぜ人類は生まれてきたのか。

これは、科学的には、もともとネズミのようだった生き物から進化してきたというような話をすることができるでしょう。

しかし、そこに哲学的な意図や必然性を踏まえて答えることができるかというと、それはAIには難しい話です。もちろん、答えがある話ではないので、人間にとっても難しいことではあります。

 

ただ、その答えのない問いを対話することや、仮説を立てて進んでいくことによって、人と人の相互作用が生まれて、そこに価値が生まれることがあります。

 

人と人が、企業経営において、経営理念や将来のビジョンについて対話するのも同じようなことでしょう。

 

答えが出るものについては、AIなどを積極的に活用して、迅速に答えを出しながら、答えが出ない部分を人間の競争領域として、知性を高めながら、生きて経営していく。これこそが、人間がこれから貢献し、人生を楽しむための方向性ではないでしょうか。

 

産業革命では、人間のフィジカルな力が機械に置き変わりました。AI時代には、人間の知能というものが徐々にAIにとって変わられることでしょう。そして、最後に残るのが知性と考えることができます。この知性の中には、美意識も入ってくることでしょう。

 

知性を発揮するためにも、知能で必要となる要素を組み合わせて磨いていくことも必要です。

これから、人間の知性というものを発揮していくために、AIで代替される事はわかっているけれども、学ばなければいけないことをどのように構築していくかも大切なことになります。

 

リベラルアーツと言われる教養も、知性を発揮する上で必須ですし、そこに代替される知識と経験が積み上がって、知性というものが構築されることになるでしょう。

 

人類の強みをどう定義して、AIと強みをそれぞれ特有の使命として活かしながら良い社会を築いていくことができるか、前向きに知性を発揮しながら生きていきたいですね。


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