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少子化対策のために難解な入試問題をやめるべき

時事トピック
2023.08.22

総務省が726日に発表した人口動態調査によると11日時点の日本人の人口(日本在住の外国人除く)は122423038人となり前年から80523人減少しました。減少幅は1968年の調査開始以来最大です。日本人の出生数も771801人と調査開始(昭和54年度)以降最少を更新しています。

岸田政権が異次元の少子化対策を打ち出していますが、少子化はコロナ禍の影響もあり一層加速している状況です。

少子化の原因は複合的で様々ですが、その一つに教育費の負担があります。私自身、昨年娘の中学受験を経験しましたが、塾関連の費用が想像を大きく上回る金額でした。中学受験の場合、通常は4年生から塾に通い始めるので3年間のトータル金額は相当な額になります。

 

我が家では夫婦ともに中学受験の経験がなく、学校の勉強をしっかり取り組めばそれで事足りるという認識をしていました。しかし中学受験を経験した知り合いに聞いてみると、現在の中学受験は小学校で教える内容のレベルを大きく超えており、受験用の対策をしておかないとかなり難しいとアドバイスを受けました。

実際、娘の志望校の過去問に目を通してみると、小学校で教えられる内容からすると相当の応用力が必要で、更に言うと限られた時間の中で合格ラインに達するにはかなりハードルが高いと感じました。

受験対策については、塾以外でも色々選択肢があるとは思います。しかし中学受験の知識と経験が乏しく、受験準備が遅れた我が家にとって塾に通うということがベストな選択だと判断し我が家でも受験対策が充実している塾に通わせることにしました。

 

我が家と同様、子供の将来のことを考えると家計の負担が重くとも塾に通わせようと考える家庭も多いのではないでしょうか。しかし、一人当たりの教育費が嵩むと、結果的に子供の数を増やすことを躊躇するようになります。

このように教育費の負担が嵩むことで子供の数を増やすことに抵抗を持つという背景を考えると、個人的には入試で学校教育のレベルを大きく超える難解な問題を出すべきではないと感じます。

入試をする学校側としてみればレベルの高い子供を選抜するために難解な問題を準備することが必要なのだと思います。しかし、現在のように教育費の負担が少子化を進める要因になっていることや、親の所得が子供の進学の可否に大きく影響する状況はあまり健全だと思えません。

更には経済的な側面だけでなく受験をする児童に対して肉体的にも精神的にも負担になっています。受験対策が本格的に始まると子供たちは週末も含めてほぼ毎日、夜遅くまで勉強をすることになります。これは高校生であればまだしも、小学生に対しては過度な負担であると感じています。

 

今後、異次元の少子化対策が本格的にスタートします。児童手当を拡充するなど具体的な施策が打ち出されていますが、お金を配るだけでなくソフト面の仕組みの変革も進めて欲しいものです。


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