「聴く」とは、余った脳の力を、相手に向けること  ―ケイト・マーフィー『LISTEN』より | コンサルタントコラム | 中堅・中小企業向け経営コンサルティングの小宮コンサルタンツ
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「聴く」とは、余った脳の力を、相手に向けること  ―ケイト・マーフィー『LISTEN』より

今週の「言葉」
2026.07.27

誰かの話を聞くうちに、自分の考えごとに気をとられ、相手の声が音声オフのようになっていた――そんな経験はないでしょうか。

マーフィーさんの説明は明快です。人の思考は、話すよりずっと速い。私たちが話すのは1分間に120150ワードほどですが、脳には860億もの細胞があり、聞くときに使うのは、そのごく一部だけ。だから、余った処理能力が寄り道を始めてしまう。うわのそらになるのは、意志が弱いからではなく、脳の力が余っているからなのです。

問題は、その余りを何に使うか。多くの人は「次に何を言おう」と、自分の返事づくりに使ってしまいます。でも、優れた聞き手は違う。その力を寄り道ではなく、相手を理解しきることにまるごとつぎ込む。言葉だけでなく、声の抑揚や表情、その人がなぜそれを話すのかにまで、注意を向けるのです。

だから、明日だれかの話を聴くとき、「次に何を言おう」を、少しだけ手放してみてください。そのぶんの力を、まるごと相手を理解することへ振り向ける。すると相手は「この人は本気で分かろうとしてくれている」と感じ、そこに信頼が生まれます。だからこそ、たとえ沈黙が続いても、相手はやがて、いちばん大事なことを話してくれるのです。

――なんて、エラそうに書きましたが、いちばん自分に言い聞かせています。とはいえ、コンサルタントという仕事柄、返しが遅いと「能力がないのでは」と疑われて信頼を失うこともあり、そのあたりの塩梅は、いまだに難しい。状況や目的によって使い分けるようにはしていますが、間違えることも、まだまだ多いのですけれどね。

新宅 剛

 


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