毎年暑いこの時期に、愛知県一宮市の顧問先さんの病院で人間ドックを受けています。もう30年くらいになります。今年もおかげさまで、大きな問題はありませんでした。
20年前のこのドックのCT検査で右の肺に小さな腫瘍が見つかりました。切除してみないと悪性かどうか分からないということで、忙しい時だったのですが、毎年主催している海外ツアーを私だけ休ませてもらうことにして、10月半ばに手術をしました。腫瘍を取り、その場で病理検査をしたら、悪性だったので、右肺の4分の1強を切除しました。
入院期間は1週間だけで、手術をしたちょうど1週間後に、大阪で午前中は社外役員をしている会社の取締役会に出て、午後は当時出演していた毎日放送の「ちちんぷいぷい」という情報番組に4時間生放送で出演しました。隣に座っていた元阪神タイガースの掛布さんに、手術をして肺を切除して1週間後だという話をしたらとても驚いておられたのを今でもよく覚えています。
20年前でも医学の進歩にとても驚いたものです。今ならもっとすごいのだと思います。私の場合は手術後、放射線や抗がん剤の治療も行っていないので楽にすみました。いずれにしても早期発見、早期治療を多くの人に勧めています。
一方、人間ドックを無事終えると、毎年思うことがあります。それは、「もう一年は大丈夫だ」という気持ちになることです。そして、この一年でやりたいことをもう一度考えます。もちろん、普段から多くのやりたいことを考えているのですが、とにかくこれから一年でやりたいこと、やるべきことを再度心に決めます。私の場合は、本を出すことや会社でやること、もちろん、プライベートのこともあります。
ときどき「明日死ぬと思って今日を生きる」ことが大切という話を聞きます。明日死ぬとなると今日をどう生きるかを真剣に考えます。毎日を真剣に必死で生きることはとても大切なことに間違いはありません。しかし、明日死ぬとなると、必死にはなるかもしれませんが、やれることは限られています。
一方、一年という日数は、私にはちょうどいい長さです。一年あれば、書こうと思えば数冊は本を書けますし、会社で取り組んでいることも、完成とまではいかなくてもかなりの進捗や方向性は出せます。そういう意味で、何かをやるというのに一年単位というのは悪くはありません。
毎年、人間ドックの前には、少し不安な気持ちにはなりますが、終わってホッとするとともに、こういうことを考えました。
小宮 一慶