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「交通インフラの有難さ」

小宮一慶のモノの見方・考え方
2026.09.07

先週、鹿児島のお客さまで講演をしました。毎年、役職員さんの前でお話をさせてもらっています。講演当日は、台風24号が鹿児島に近づいていた時で、実は、乗っていた飛行機が、着陸のために数100メートルまで高度を下げ空港の滑走路直前まで来た時に、着陸をあきらめ再上昇したのです。「ゴーアラウンド」というらしいのですが、1000回ほどは飛行機に乗ったと思いますが、初めての経験でした。

これまで、滑走路まで出て離陸せず引き返す、別の空港に降りる、羽田に引き返す、目的地上空でかなりの時間旋回するなどを経験しました。ずいぶん前にタイのプーケット島の空港で乗るために待っていた飛行機が着陸直前でアンダマン海に墜落するという痛ましいことにも遭遇しましたが、ゴーアラウンドは初めてでした。

今回は、先日の熊本の震災の影響で九州新幹線が一部区間で運行を取りやめており、鹿児島に行く代替手段がほとんどない状態だったので無事講演ができてほっとしました。

日本は台風や地震など、さまざまな自然災害が起こることの多い国ですが、それでも、交通インフラのおかげで、私だけでなく多くの方がすごく助かっているのも事実です。私は、もう独立して30年以上になりますが、おかげさまでこれまで47都道府県すべてで講演をしたことがあります。これも交通インフラのおかげです。

那覇や札幌でのお仕事は、何度も日帰りで行きました。少し事情があって台北を日帰りしたこともあります。新幹線のおかげで、同じ日に、午前中は大阪、昼に名古屋、午後遅くに東京で講演をしたこともあります。これらも正確に運行される飛行機や新幹線網が整っているおかげです。

モンゴルのお客さまのところにも何度か講演に行きました。一度は、その直前に米国のオハイオ州のお客さまの工場を2泊4日で視察し、シカゴ経由で成田空港に戻った翌日にモンゴルのウランバートルに行ったこともありました。結構きつかったので、成田に一泊しましたが、いずれにしても、こんなことができるのは交通網が発達しているおかげです。

2018年でしたが、日本が台風の影響で、パリで待っていた飛行機が到着せず、帰国翌日に大阪で出演予定だったテレビの生放送の出演をキャンセルしてもらったこともありましたが、それ以外には、大きなトラブルはありません。

そういう長距離の移動だけではありません。私は都内に住んでおり、通常は麹町の事務所まで電車で45分ほどかけて通っています。住んでいるところは電車を2路線使える地域なので、会社まで電車で行けなかったことはこの30年間まずありませんでした。

心配もあります。交通インフラのおかげで、今まではなんとか無事に仕事ができてきましたが、道路を含めて設備の老朽化は否めません。とくに地方では顕著です。また、自然災害の脅威も増しています。交通インフラは生活や仕事の基盤です。それらがきちんと維持されることを願うばかりですが、そのためには、人口減少に歯止めがかかり、さらには、この国日本の繁栄が欠かせないことは言うまでもありません。

小宮 一慶


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