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個人のレジリエンスとリスキリング

経営のヒント
2021.10.21

生産性を上げるための投資として、人材投資が必要と言うことを先ほども今週の経済の記事で記載しました。
衆議院選挙の中においても、人材投資や研究開発投資など国の生産性を上げるための政策が1つの重要論点になります。

人材投資については、投資をする側の戦略と、投資をされる人としての生き方と言う2つの側面があります。

投資をされる人側に立ってみると、人としてのレジリエンス(回復する力、再起する力)が非常に重要な局面になってきていると言えるでしょう。

昨今、45歳定年制や、パナソニックの早期退職制度など、キャリアチェンジを促す発言や施策が多く出てきている印象があります。

※45歳定年制関連記事⇒ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD16BE00W1A910C2000000/

 

日本は少子高齢化が進行する中で、周回遅れの経済状況になっていることもあり、根本的な生産性の改善を求めるためにも、生産性の高い分野へのリスキリング、ジョブチェンジが求められる状況となっているわけです。

※リスキリング関連記事⇒ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB137NV0T11C21A0000000/

 

また、人生100年時代と言われており、100年時代の中で何回かのキャリアチェンジにさらされる事はほぼ確実視されています。1社で1つのキャリアで終わらせると言うような働き方はもはや難しいと言うことなのかもしれません。

企業においても国土においてもレジリエンスが必要だと言う議論が取りざたされていますが、これは個人についても言えることだと思います。

 

自分自身が慣れ親しんだ業務や仕事のやり方から、大きくシフトチェンジをして新たに違うステージを生きていくと言う事は、惰性で生きることを許容しない厳しさがあります。
KCクラブを読んでくださっている方々の中にも、レジリエンスが求められる状況の企業経営者や、経営者としてのレジリエンスが求められる状況、そしてシフトチェンジも含めたレジリエンスが求められる個人の方や士業の方などがいらっしゃると思います。

1番厳しい状況に置かれている人たちは、非正規の方達と思われますが、その方たちにも学びを深めていただいてキャリアアップしてほしいと思います。私も団塊ジュニア世代、就職氷河期世代として同世代の人たちが当時就職できずいまだに非正規の段階で苦しんでいる状況をニュースなどで見るにつれてそのように思う気持ちが強いです。

これからの時代に必要とされる人材としては、スキル面では主にデジタル・AI分野、経営・マーケティング分野などいくつかの特徴があります。

※IT・AI・DX人材についての関連記事⇒ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC085AW0Y1A001C2000000/

 

産業革命の時は、肉体労働から機械に労働がシフトしたように、今ではDXとして人間の頭脳労働が一部システム・AI、ロボット等に移行してきている状況です。

システムや機械が働く割合が増えると言う事は、それだけ一人当たりの付加価値が増加すると言う事でもあります。アウトプットを出すまでに必要な人間の工数が機械やデジタルに置き換えられているので当然と言えば当然のことです。
そして、それらのシステム・AI、ロボットなどの導入を促進できる人材が求められること、そしてそれらを活かして総合的に経営を推進していく能力がある人材が求められることは必然と言えるでしょう。生産性の向上という意味では、デジタル・AI人材が貢献する余地はとても大きいと言えるでしょう。
とはいえ、経済はデジタル・AIだけで回っていくわけではありません。今後の社会の先行きを思い描きながら変わっていく社会の中でどのように貢献をしていけるのか、個人も会社も考えながら方向付けをしていく必要があります。

 

コンサルティングをしていて思うこととしては、企業経営という視点に立つと、単純にスキルとしてのデジタルやマーケティングについては、副業人材や外注などで対応できる部分が多くあります。企業で外注に出すのもそうですが、副業人材を活かすことによってコスト的にも安価に対応できる場面が増えてきていると感じます。また、単発で依頼する外注の場合には担当者によってクオリティが異なるのに対して、継続的に企業に関与する副業人材については対応する人がその人で固定されるため、信頼できる人との副業ネットワークができれば部分的な機能は補えるとも考えられます。

※副業人材関連記事⇒https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC139LS0T11C21A0000000/

 

このような特定のスキルを持った人を採用しようとするとなかなかハードルが高いのですが、副業で関わってほしいと言う依頼を出すと意外と簡単に確保できたりします。それは副業される方々の考えとして、様々な働き方の中の1部として中堅中小企業のデジタル化を支援して実績にしたいと言う思惑もあるからです。このような方はレジリエンスが高く、様々な経験を意図的に積み重ねることによって自身の強みと実績を構築していく動きをとっていると感じます。

コンサルタントとしての立場から言えば、企業経営をする上で専門的な人材に関わってもらうためには、副業人材など正規雇用とは別の働き方をしている人たちをうまく活かすと言うこともとても大きな手段になると考えます。
逆に専門人材を社内で抱えてしまうと、その専門性を発揮する場面が限られるため、企業にとっても割高になり採用される側にとっても一社に固定されることで実績を積み上げる機会が薄くなってしまうと言うデメリットもあるのです。

 

個人の生き方・レジリエンスで言えば、際立ったスキルを積み上げていくためには副業と言う考え方もレジリエンスを高めるために必要な施策の1つとも言えるでしょう。一方で、企業にも財務規律と言う安全性の基準があるように、個人においても闇雲に副業に飛び出して健康を害することや、人生における財産的安全性を毀損すると言うことも可能性としてあるわけなので経営と同じく、自身の生き方という方向付けについても将来と現在の時間軸や資源を考慮して判断していくことが求められます。

個人についても会社経営と同じで、自分自身が誰に対してどのような貢献するか、そしてそれをどのようなスタイルで行うかかと言うことを選びやすくなっていると言う事でもあります。

 

今までは一社に継続雇用される前提でどのような会社にどのように貢献をするかと言うことを決めていましたが、これからは複数の会社に対して自分の何で選ばれるようにするかと言う方向付けを含めて個人の広がることを考えるようになりました。
個人の社会への貢献の仕方に様々なパターンが生まれたと言うことです。その分だけ、方向付けに様々な選択肢が入り判断が難しくなってきていると言うこともあるでしょう。

 

会社としても、個人としても、正しい努力の積み重ねの結果としてどのように社会やお客さま、働く会社に貢献をするかと言うことを考えながらレジリエンスを発揮して生きていく時代になったと言えるのかもしれません。

皆さんのレジリエンスを高めるための貢献も、KCクラブとして伴走することで実現できればと考えています。共に走っていきましょう。


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